雨に唄えば

東京の足立区では、深夜の公園にたむろする若者を追い出すため、若者にしか聞こえない不快な音を出す装置を設置していましたが、3月末で音を出すのをやめるそうです。


http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20100305-OYT1T01361.htm

深夜の公園「モスキート音」やめ警備員常駐へ

 深夜の公園に若者がたむろするのを防ぐため、不快な高周波の音(モスキート音)を流す実験をしていた東京・足立区は、3月末でモスキート音を流すのを中止する。

 実験開始約1か月後の昨年6月、園内のトイレが壊されたため、警備員を常駐させたことなどで深夜、若者の姿はほとんどなくなったが、区は「モスキート音で撃退したというより、マンパワーによる効果の方が大きかった」としている。

 同区内の公園では2008年度、トイレの便器などが壊される被害が総額約300万円に達し、大半が深夜に集まる若者の仕業とみられていた。このため昨年5月から、若者にしか聞こえないとされるモスキート音の発生装置を、被害が多い区立北鹿浜公園の管理棟に設置。午後11時〜午前4時に音を流して効果を測定し、有効な場合は他の公園にも導入するとしていた。

 設置後、全国初の公共施設での実験として話題に上り、音が聞こえるのか試しに訪れる人たちが増加。同年6月21日には女子トイレの便器が壊されたため、7月から管理棟に警備員を常駐させた。

 その後、「若者がたむろする回数が激減」(区公園管理課)したが、区は「減った要因は警備員の存在が大きい」として、4月からは装置だけを残して、音を流すのをやめる。

 区は「再びたむろが増えた場合、まずはパトロールの強化で対応したい」としている。

どうやら、モスキート音の機械は、逆に人を集める効果しかなかったようですね。そりゃ、音がしようがしまいが警備員がいる公園で暴れる人はいないでしょう。でもこれ、警備員がもし若い人だったら、さぞかしストレスのたまる職場でしょうねぇ。一晩中キーンとかいって。居眠り防止にはなるかもしれんですけどね。



いっぽう、英国ではもっと優雅に、こんな試みが行われているとか。


http://slashdot.jp/article.pl?sid=10/03/05/153259

クラシック音楽で若者撃退

英国では社会的規制を目的としてクラシック音楽を採用しているそうだ

英国の一部地域ではバス停や駅、その他の公共の場所にたむろする若者を追い払うためにクラシック音楽を流しているとのこと。若者は「クラシックが流れるところでたむろすることは格好悪い」と考えるのか、その効果はバツグンという。壁などへのグラフィティに悩む地域でクラシックを流したところ、その被害が減ったという事例もあるそうだ。


また、ある学校では行いの悪い生徒に対してモーツァルトなどのクラシックを 2時間聴かせるという「特別居残り措置」が行われたという。クラシックは生徒をリラックスさせ、また今後の行いを改善させる目的で使われているとのことで、この特別措置が採用されてから問題を起こす生徒は 60%減少したそうだ。ただし、この「特別居残り」を受けた生徒の中にはクラシックと懲罰とを結びつけてしまい、クラシック音楽に対する嫌悪感を持つようになってしまうという弊害もあるそうだ。

たしかに、その場に流れている音楽は居心地を決定するのに重要な要素です。


仙台で何店舗かチェーン展開している、ぼくがちょくちょく行くラーメン屋があります。東北には珍しい熊本ラーメンのお店で、味はけっこう好みなんですが、内装がレトロ調で、BGMがいつも80年代のアイドルポップスなんですね。こってり味のラーメンをすすりつつ、マッチの”スニーカーぶるーす”とか聞かされると心の底から「勘弁してくれよー」という思いがフツフツとわいてきます。近ごろのラーメン屋はジャズのかかっている店が多いですが(壁にコルトレーンのポスターとか貼ってあったりする)、80年代アイドル歌謡はまだ、そういうBGMに使うには「寝かせ」が足りてないようです。


クラシックの場合、ラーメンには合わないと思いますが公共の場で流すのにはいいでしょう。でも、ダサい空気を作るためにクラシックを流すというのは芸術に対する敬意がないと思うなぁ。


それに、行いの悪い生徒にクラシックを2時間聴かせたところ、懲罰と結びつけて音楽に嫌悪感を持つようになったとのことですが、それってどう見てもルドヴィコ療法だと思うんですが。

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さすがイギリス、『時計じかけのオレンジ』本国だけのことはありますね。でも、できればモーツァルトじゃなくてベートーヴェンにしてほしかった。惜しいところです。90点。