スモーキン☆エース

愛煙家探偵登場、児童書が販売中止に

 偕成社(今村正樹社長)は28日、児童向けとして発売した『シャーロック・ホームズの冒険』(コナン・ドイル作)を販売中止にすると、ホームページで発表した。

 対象年齢は小学校5年生からで、名探偵のシャーロック・ホームズが助手のワトソン君とともにヴィクトリア時代の事件を解決する内容。ホームズはパイプたばこ好きの設定で、喫煙したまま依頼者たちと同席する場面が何度も描かれている。

 喫煙に反対する団体などから「たばこを礼賛している」「たばこ規制枠組み条約に違反する」といった指摘があり、同社は販売中止を決定した。

 ホームページでは、今村社長名で「(たばこは)小道具として使用したものであり、喫煙を推奨したりする編集意図はまったくありません」と説明。「しかしながら、子どもの本の出版社として配慮に欠けるものでした」と謝罪した。

もちろん、こんなことはありえません。


元ネタはこちら。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091229-00000086-yom-soci

愛煙家おじいさん登場、児童誌が販売中止に

 福音館書店(塚田和敏社長)は28日、月刊「たくさんのふしぎ」の2010年2月号として発売した「おじいちゃんのカラクリ江戸ものがたり」(文・絵、太田大輔)を販売中止にすると、ホームページで発表した。

 対象年齢は小学校3年生からで、発明家のおじいちゃんが2人の孫に江戸時代の暮らしを説明する内容。おじいちゃんはたばこ好きの設定で、喫煙したまま孫たちと同席する場面が何度も描かれている。

 喫煙に反対する団体などから「たばこを礼賛している」「たばこ規制枠組み条約に違反する」といった指摘があり、同社は販売中止を決定した。

 ホームページでは、塚田社長名で「(たばこは)小道具として使用したものであり、喫煙を推奨したりする編集意図はまったくありません」と説明。「しかしながら、子どもの本の出版社として配慮に欠けるものでした」と謝罪した。

これはひどいなぁ。未成年者でもない登場人物がタバコを吸っている、というだけで本が販売中止にされるのでは、作家とか出版社の人はたまったもんじゃないでしょう。


抗議した人のブログはこちらだとか。
http://blog.goo.ne.jp/kuba_clinic/e/efab983a0f4c6a6200cd6d3f24db4860


青森の小児科医さんだそうですが、「たばこと塩の博物館」の人が協力しているから癒着を疑う、というのは行き過ぎだと思うなぁ。そもそも実際問題、いまどきパイプでタバコを吸うおじいさんなんてほとんどいないでしょ。それに対し、江戸時代には煙管でタバコを吸う文化が実際にあったのだから、発明家とそのご先祖を結びつける、物語上の必然性もちゃんとあるじゃないですか。


このお医者さん、こんなことも言っています。
http://blog.goo.ne.jp/kuba_clinic/e/44c2eef735f81878d953002adba35d25

販売する価値がないどころか悪影響を及ぼす絵本を定期購読だからといって無理やり買わされる筋合いはありません。
書店を通じて返品しますので代金を返金してください。
定期購読も中止します。

追記:絵本としてのレベルも過去の「たくさんのふしぎ」の中で最低であり、発明好きのお祖父さんが祖先をのぞき見するなどバック・トゥ・ザ・フューチャーのパクリでしかなく、版画の面白みが辛うじてある程度で何の「ふしぎ」もなく、ほとんど価値のない内容と言えます。

すごいなぁ。定期購読している本を「今月はつまんなかったからお金返してください」ってのは斬新ですね。それに、たばこの害はともかくとして、本が面白いかつまんないか判断するのは医者の仕事じゃねえだろう、と。


ホームズの助手のワトソン君なんて、医者のくせしてホームズのコカイン注射を止めもしなかったのに、それと比べると隔世の感があります。
(当時コカインの害は知られていなかった)

四つの署名―シャーロック・ホームズ  (偕成社文庫)

四つの署名―シャーロック・ホームズ (偕成社文庫)

冒頭でネタにしましたが、実際の偕成社から出ている少年向けシャーロック・ホームズ全集では、パイプ喫煙どころかコカイン注射の場面もちゃんと原文に忠実に訳されています。


http://kodomotoshokan.com/m-book/holmes.html


偕成社に抗議のメール送る人とかいねえだろうな。