恥の多い生涯を送ってきました

東北学 忘れられた東北 (講談社学術文庫)

東北学 忘れられた東北 (講談社学術文庫)

本日は、仙台文学館で「赤坂憲雄対論・太宰治を語る」を観覧してまいりました。


津軽 (岩波文庫)

津軽 (岩波文庫)


これは、東北芸術工科大学が運営する「東北ルネサンス・プロジェクト」の一環として行われているものです。


今回は、太宰治をテーマとして、作家の佐伯一麦先生、歌人仙台文学館長の小池光先生と三人で意見を述べられていました。

からっぽを充たす (小さな本棚)

からっぽを充たす (小さな本棚)

続々 小池光歌集 (現代短歌文庫)

続々 小池光歌集 (現代短歌文庫)


中心となる教材が、太宰が昭和19年に里帰りしたときの紀行小説『津軽』で、ぼくはこの小説を未読だったため(『人間失格』しか読んでない)、わからない部分も多かったのですが、太宰治が持つ存在感の大きさはなんとなく感じ取れました。


ぼくは文学青年だったことはなく、若い頃に文系の人との付き合いもなかったので、太宰がどのように読まれているのか実際に肌で感じたことはないのですが、赤坂先生のこんなエピソードを聞くと、なんとなくその感覚がわかるような気がしました。

 世の中には、二種類の人間しか存在しない。太宰治が好きか、嫌いかだ。太宰がわからない奴とは、今日を限りだ――。そう、友人のひとりから、絶交を告げる手紙をもらったのは、いつであったか。二十歳になっていたか。それっきり、その男とは会ったことがない。見事な絶交であった。青春のひと齣、はるかな過去に棄ててきた夢のかけらだ。
 それがトラウマになった。太宰治という作家にはなるべく近づかずにきた。それでも、封印はいつしかほどけた。いまさらのように、太宰を読みはじめている。


太宰といえば、中二病の必須アイテムというイメージもありますが、大人になって読むとまた新たな発見があると思います。


そういえば、二宮ひかるの『シュガーはお年頃』でも、主人公のお父さんが同じことを言ってたなぁ。

シュガーはお年頃 3 (ヤングキングコミックス)

シュガーはお年頃 3 (ヤングキングコミックス)