移民の歌

今年も7月17日がやってまいりました。このブログを読んでいる人ならおわかりのことと思いますが、今日は超獣忌。ブルーザー・ブロディの命日であります。



新日本プロレスに参戦していたときは、Led Zeppelinの原曲”移民の歌”で入場していたブロディですが、全日本プロレスではこのアレンジバージョン(ドラムのイントロで入り、ヴォーカルラインをトランペットで演奏)でした。こっちの方が馴染み深い、という人も少なくないと思います。


プロレススーパースター列伝 (10) (講談社漫画文庫)

プロレススーパースター列伝 (10) (講談社漫画文庫)

梶原一騎原田久仁信の『プロレススーパースター列伝』でも、ブロディ篇は抜群の完成度を持っていて人気も高いです。連載初期(ザ・ファンクス篇とか)はまだ、似顔絵を漫画的にデフォルメして動かす技術が未熟でしたが、後期のブロディ篇あたりになると作画・演出とも円熟味を増してきます。ブロディのキャラクター性(インテリなのでモノローグが多くても違和感がない)やルックス(モジャモジャ頭、ヒゲ、ギザギザ額と特徴が多いので、表情を動かしても似せやすい)
も絵柄によくマッチしており、ド迫力の一篇となっていました。



ブロディは1988年にプエルトリコでレスラー兼ブッカーのホセ・ゴンザレスに刺殺されましたが、正当防衛としてゴンザレスは無罪判決を受けます。この後もゴンザレスは現役を続行し、1990年には、プエルトリコに遠征した大仁田厚がゴンザレスに刺されたこともありました。この抗争アングルでゴンザレスを来日させようとした大仁田ですが、あまりに悪質なヤラセだとして業界とファンの双方から激しい批判を受け、当時ターザン山本が編集長を務めていた週刊プロレス「ゴンザレスを来日させたら、今後いっさいFMWは誌面に上げない」と宣言したものです。いくつもの団体から取材拒否を受けたターザン週プロでしたが、この時ばかりは掟破りの逆取材拒否になりかけたんですね。


そろそろ、事件についてくわしくまとめた「ブロディの光と影」を原田久仁信先生に劇画化してほしいものですが、さすがにこれはショッキングすぎるでしょうか。