鵺の鳴く夜は恐ろしい
常用漢字表が29年ぶりに改訂されることになり、191文字が追加される予定だそうです。
追加される予定の字はこちら。
んで、この追加についてこんな意見も。
http://www.asahi.com/culture/update/0131/TKY200901310206.html
「淫」が常用漢字に仲間入りした理由
萎淫鬱怨苛牙潰傲挫塞斬恣嫉呪凄嘲妬貪罵蔑冥闇拉慄。
呪文のような漢字群を見ていると、荒涼とした心象風景が広がってくる。まるで、今の世相が映し出されるかのように。どれも、常用漢字表に追加される予定の191字の中に入っている。逆に明るいイメージの漢字は、「錦」や「爽」「鶴」「瞳」「虹」くらいしか見あたらない。
81年に当用漢字表から常用漢字表へ移行した時、こんなことはなかった。追加された95字の中に暗いイメージの漢字は少なく、むしろ「蛍」や「猫」「朴」「癒」「悠」など心なごむ字が目につく。
作家の出久根達郎さんは文化審議会国語分科会の漢字小委員会で委員を務めている。「審議の最中は気づきませんでしたが、本当に暗い漢字が多い。拉致の『拉』もあり、現代を象徴しています。私たちが日常よく目にする字が常用漢字になるのでしょう」
ネガティヴなイメージのある字が多いのは、暗い世相を表しているというより、ネガティヴなやつも毛嫌いせずに入れようという趣旨なんじゃないかという気もするのですが、字の選定に関してはこういう見方もあります。
中心となった書籍調査の場合、凸版印刷が04〜06年に作った本860点分の組み版データを分析した。単行本を中心に「文芸春秋」や「週刊ポスト」などが含まれる。
もっと軟派の本もある。昨年6月の小委員会で話題になったのが官能小説。前月に公表された追加字種の第1次候補案に、「濡(ぬ)」れる、「覗(のぞ)」く、「撫(な)」でる、「淫(みだ)」らといった漢字が入っていた。それが官能小説の影響ではないか、というのだ。
日本新聞協会用語専門委員の金武伸弥さんは協会内で出た意見として、調査で使われた単行本の分野や作家にかなり偏りがあると指摘した。たしかに、540点の単行本の中に『柔肌ざかり』『インモラルマンション』といった題名の小説が26点ある。
調査を担当した文化庁国語課は「現在の文字生活の実態を考えれば、官能小説がこのくらい入っていてもいいのでは。調べた漢字の数が非常に多いので、ノイズのようなものはほとんど落ちてしまう」と影響を否定した。
司馬遼太郎の作品が約50点あるのは多すぎるという指摘もあった。国語課はやはり「特定作家の文字遣いの影響は残らない」としていた。
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ミステリは戦前には「探偵小説」と呼ばれていたのですが、戦後になって当用漢字から「偵」の字が外れたため、木々高太郎らが中心になって「推理小説」という新しい言葉が創設されました。
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もし今回、官能小説じゃなくミステリばっかり買ってきて追加漢字を選んだのであれば、「樽」とか「匣」「鵺」などが追加されてたんでしょうか。
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