25人の白雪姫
むかしむかし、あるくにに、しらゆきひめというおひめさまが、おうまれになりました。
ゆきのようにしろいはだ、こくだんのようにくろいかみ、ちのようにあかいほっぺたをした、とてもうつくしいおんなのこでした。
しらゆきひめのおかあさまは、ひめをうんでまもなくおなくなりになったので、おうさまは、あたらしいおきさきをもらいました。
あたらしいじょおうさまは、うつくしいかたでしたがとてもうぬぼれがつよく、じぶんよりうつくしいひとがいると、がまんならないのでした。
このじょおうさまは、ふしぎなかがみをおもちでした。かがみにむかって、
「かがみよかがみ、このくにでいちばんうつくしいのはだあれ?」
とたずねると、いつも、
「じょおうさま、あなたこそいちばんうつくしいかたです」
と、こたえるのです。それをきくと、じょおうさまはたいへんあんしんするのでした。
そのうちに、しらゆきひめはすくすくとおおきくなり、ますますうつくしくなってきました。
しらゆきひめがななつになったころ、ままははのじょおうさまは、いつものようにかがみにむかって、
「かがみよかがみ、このくにでいちばんうつくしいのはだあれ?」
とたずねました。すると、
「じょおうさま、あなたはうつくしい。けれど、しらゆきひめはせんばいもうつくしい」
と、かがみはこたえました。じょおうさまはおどろいて、かおをあおくしたりきいろくしたりしました。
つぎのひ。
しらゆきひめは、じょおうさまが、「24、24、24」といいながら、まんほーるのうえでたのしそうにとびはねているのをみました。
「まあおかあさま、なにをしていらっしゃるの?」
しらゆきひめがたずねても、じょおうさまはなにもこたえず、ただ「24、24、24」といっているばかりです。
じょおうさまのようすが、あまりにもたのしそうだったので、しらゆきひめは、
「おかあさま、わたくしにもやらせてくださいな」
と、たのみました。じょおうさまはこころよくゆずってくださいました。
しらゆきひめは、まんほーるのふたのうえにのると、じょおうさまのまねをして「24、24、24」といいながらとびはねました。
するとじょおうさまは、しらゆきひめがとびあがったしゅんかんに、まんほーるのふたを、さっとはずしてしまいました。
しらゆきひめは、くらいあなのそこへ、まっさかさまにおちていってしまいました。
じょおうさまは、まんほーるのふたをもとにもどすと、また、とびはねはじめました。
こんどは「25、25、25」といいながら、いつまでもたのしそうにとびはねていましたとさ。