防災の日(一日遅れ)
そういえば昨日は防災の日だった。ぼくの半径ワンクリック圏内は『ヱヴァ』か『デス・プルーフ』かでキレイに二分されていたところですが、本来ならこっちの方が重要ですよね。
昨年から今年にかけ、映画『日本沈没』がリメイク公開されたこともあって、各社の漫画雑誌に大地震サバイバルものが同時多発連載されました。
- 作者: 小松左京,一色登希彦
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2007/07/30
- メディア: コミック
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- 作者: 高嶋哲夫,八坂考訓
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2006/06/19
- メディア: コミック
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- 作者: 琴義弓介
- 出版社/メーカー: 少年画報社
- 発売日: 2007/03/26
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- 作者: 古屋兎丸
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2007/09/08
- メディア: コミック
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似通ったストーリーの中、それぞれ特色を出そうと健闘していたと思いますが、特色という意味ではこれらの作品全部を足した上にさいとう・たかをの『サバイバル』と永井豪の『バイオレンスジャック』を加えてもまだ及ばない、超怪作がこちら。
- 作者: 山口正人
- 出版社/メーカー: 日本文芸社
- 発売日: 2007/06/19
- メディア: コミック
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『修羅がゆく』で劇画ファンにおなじみの山口正人が、『別冊漫画ゴラク』に連載した作品です。
主人公の大文字龍伍(赤竜流組若頭)は、自分の妻子を殺した組長に復讐するため、舎弟を引き連れて伊豆から東京にバスで急行する途中、大地震に遭遇します。
マグニチュード9.4の巨大地震で東海・関東地方は完全に壊滅し、誰がどう考えても敵討ちどころではないのですが、龍伍はとにかく組長を殺ることしか頭にありません。
生き残った二人の舎弟を連れて旅を続け、避難所の炊き出しでシャブ入りシチューを出すヤクザを成敗したり、金目鯛の干物を賭けて丁半博打をしたり、女をさらって性奴隷にしている自衛隊と戦ったり、一万人の暴走賊とチキンレースで対決したり、と全編ツッコミどころ満載の活躍をします。
そして、ある街で検問にあった龍伍たち。
- 金魚
- 包丁
- 寿司
- スイカ
- バナナ
- 猿
の絵を見せて、”これは何ですか?”と訊くというもの。
舎弟たちはこれを難なくクリアするのですが、龍伍はこれに
- アカタン
- ドス
- ヤスケ
- ボウズ
- アオ
- ボウヤン
”ヤクザが来たぞおおっ!”
と色めきたつ街の住民たち。
”見ればわかるではないか…”とツッコミを入れる龍伍ですが、いきなりネットをかけて捕らえられ、土蔵に監禁されてしまいます。
この街では、”ヤクザが井戸に毒を入れる”という流言蜚語を信じた住民たちがヤクザ狩りをしており、龍伍もそれにひっかかったのでした。
このエピソードが、関東大震災における朝鮮人虐殺をモチーフにしているのはまちがいないでしょう。
http://www5d.biglobe.ne.jp/~DD2/Rumor/earthquake_demagogie.htm
外見上では日本人との明確な差異を認められない朝鮮人を識別するために用いられた方法の代表的なものが、「十五円五十銭」と発音させてみる方法です。朝鮮人には、「チュウゴエンコチュッセン」としか発音できない人が多いそうです。この方法は官憲も用いていました。これ以外の識別法としては、「教育勅語の暗誦」「座布団と言わせる」「歴代天皇の名前を答えさせる」「ザジズゼゾ、ガギグゲゴを発音させる」「君が代を歌わせる」「いろはカルタを言わせる」などといったものがあったようです。
日本一のツッコミ漫画として連載中から話題になっていたこの漫画に、こんな社会派な話が出てくるというのも驚きでした。
だって、コレの前には”伝書鳩・嵐”なんてのが出てきてるんですよ。『レース鳩0777』なんて誰が覚えてるんだよ。
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これ、ヤクザ狩りじゃなくて”オタク狩り”だったらどうなるんだろうなぁ。