砂漠の血と嵐

というわけで、「新カラテ地獄変」”砂漠の血と嵐”篇ですが。

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この作品、連載開始当初は「知られざる大山倍達の真実を描く」として、特攻隊帰りの大東徹源が、「空手バカ一代」の例によって進駐軍とケンカしたり山篭りしたりしながら、ヤクザの柳ヶ瀬次郎と義兄弟になったり女侠客をバックから激しく攻めたりするアダルティ風味も加えた作品だったのですが、例によって牛を倒したあたりからは激しく横滑りを開始、ユダヤ人美女に誘われ南米でナチス残党狩りをしたり、ニューヨークでプロレス・カンフー・マフィアの興行戦争に巻き込まれたりとワールドワイドな展開に。


プロレス界の闇の帝王、チャンプキラー・ゴルゴと激闘を演じた末に熱い友情で結ばれ、弟子にとってからはさらに激しく横滑り、血みどろカラテ弥次喜多珍道中が開始されます。


カラテを世界に普及させるため、まずはフランスへ飛んでサバットの達人を倒しますが、彼がナチスと戦ったレジスタンスの英雄だったため政府から睨まれ、ゴルゴの乱行をとがめられて国外退去の憂き目に。


失意の徹源ですが、オランダへ向かう豪華列車内で、アラブの石油王オスマンが強盗に襲われたところを助けたところからまた運が開きはじめ、国に招かれ、カラテ普及の協力を得ることになります。


そしてこの国で、皇太子の婚約者であるサラ姫と出会います。



このサラ姫、梶原一騎らしい典型的ツンデレ

はじめは、徹源が見せたレンガやビール瓶の試割りを、少年時代の丹波文七みたいな「トリックであろう」と疑い、半月刀の達人と戦わせ、これに勝利すると「とりあえず褒美を取らせます!」とでっかいエメラルドの指輪を投げて与えるというからその高慢ぶりはかなりのものです。

そして、徹源はそのツンぶりに魅了されながらも反感を持ち、「投げ与えられたものは頂戴致しかねる!」とこちらもツンで応戦。この辺は、近年のツンデレものでも踏襲されているセオリーですね。

そして今度は巨大な類人猿(ゴリラともオランウータンともつかない謎の白い猿)と戦わせられる徹源ですが、両手を目に突っ込むという動物虐待殺法でこれも撃退。

ゴルゴから「クレージー!」といわれますが、

あの姫の瞳の輝きはどんな狂気にもおれを駆り立てかねん
太陽崇拝の原始人のように…奇怪な熱病じみて襲った恋!

と、梶原一騎お得意の体言止めで独白。


この国での世話人であるオスマンから「姫を太陽とあがめる態度をとれば事態は好転するやも…」と提案されますが「それはできん」と一蹴します。

それをやったとき、おれはその他大勢になりさがる…
たとえ反感、憎しみであれ、とにかく別格のつながりを保ちたい!

というからますますエロゲ攻略じみてきますが、果たしてそこに、
「姫がテロリストに拉致された!」
という大イベント発生の報せが届きます。
ちゃんとフラグが立ってたようですね。



サラ姫を拉致したテロリストは、息子が逮捕され、釜煎りの刑に処されたことの復讐のため、姫を同じ釜煎りの刑にかけます。


絶体絶命の危機に陥った姫ですが、もちろんこのチャンスを逃す大東徹源ではありません。

自らヘリを操縦して乗り込み(もと零戦パイロットだから、というが戦闘機とヘリはだいぶ違わないか)、全身にダイナマイトを巻きつけて「撃てば全員爆死するぞ!」と脅して単身白兵戦に持ち込み、ヌンチャクも使って大暴れ。


テロリストの頭領にレイプされそうになっていた姫を、間一髪助ける徹源ですが、そこを投げ槍で狙われます。

鉄砲が使えんでも投げ槍なら、
ダイナマイトもクソ食らえ 田楽刺しよ!

アラブ料理に、日本でいう「田楽」にあたるものがあるのかどうか知りませんが、とにかくこう叫んで槍を投げる兵隊。


何本かは振り払ったものの、背中に三本の槍を食らって徹源は倒れます。
もはやこれまで、と槍を拾って自害しようとするサラ姫ですが、そこにゴルゴ率いる援軍が到着し、徹源と姫は救出されました。



かくして、大イベントをクリアして姫はツン→デレへの移行を完了。


重傷を負った徹源は、一週間の昏睡状態から目覚めますが未だ生死の境をさまよっています。


そこへ、デレ化したサラ姫が、ミル・マスカラスみたいな神輿に担がれて(釜で煎られ、足の裏を火傷しているため)お見舞いに訪れます。



そして、お待ちかねのHシーンに突入するわけですが長くなりましたので明日に続きます。