カラテ地獄変・外道カラテの魔王篇

まだまだ続く「カラテ地獄変」です。



さて、昨日書いたところでやっと大東徹源が登場してきたわけですが。



この人物は、大山倍達をモデルにしているのですが、前作「ボディガード牙」ではおだやかな人格者として描かれていたのが、この作品では冷酷非情のカラテ魔王として描かれており、梶原一騎と大山の関係の変化を表しているようで興味深いものがあります。

大山倍達正伝

大山倍達正伝


で。



危機を救われた牙直人は、金城と手を切って大東徹源門下に入門し、内弟子として修行を始めます。


メキメキと腕を上げていく牙。バイト先の酒場に現れた金城とも互角に渡り合えるようになり、ますます大東カラテに心酔していきます。

師匠の徹源も、海外向けに書いたカラテ入門書が世界的ベストセラーになり、道場には世界中から弟子が殺到、大東カラテは一躍時代の寵児となりました。


しかし好事魔多しという言葉どおり、大東カラテを快く思わない、既得権益にしがみつく旧来の空手道場主たちが罠を仕掛けてきます。


いい気になっていた牙は、美人局にひっかかってマンションの一室に監禁され、そこに徹源を呼び出されます。


日本刀や拳銃で武装したヤクザたちを前に、しかしまったく落ち着き払って徹源はこう言い放ちます。

大の男がこれだけガン首揃えて これほどのバカ騒ぎとは…

さてはその女の…


オ××コは金ブチかな?

その場にいた全員が、

状態になった隙に、誰にも気付かれずに壁の電灯スイッチを背にする徹源。


いきなり電気を消し、真っ暗になってひるんだヤクザたちをあっという間に全員半殺しにし、牙に「破門だ」と告げて去ります。


破門された牙は、その恨みを晴らすため、自分を罠にかけた他流派の道場に片っ端から道場破りをかけます。
牙の大暴れに、他流派は徹源に抗議しますが「すでに破門ずみの身にて当方では一切関知せず」と取り付く島もありません。


各流派の館長たちが、料亭に集まって牙対策を話し合っていると、どこから情報を聞きつけたのかそこも牙が襲撃、偉いさんたちを全員半殺しにし、ついでに料亭の若女将の着物をまくり、バックから犯して童貞を捨てます。

…やった!

呟いて逃走する牙。



そして、徹源は著書の印税をもとにインターナショナル・カラテ連盟総本部徹心館の建設に着手。
留学生はすでに300名を超え、国際的な評価に弱い国内からの入門者も殺到!!

しかし━━━同時期に牙の大暴れがなくば、他流派からの妨害がうるさく、ことはこうスムーズには運ばなかったであろう。


もしこれも計算のうちの牙破門とせば

非情なり 冷酷の魔王なり……

ケンカ空手 大東徹源!!



こうして、この後の「カラテ地獄変」黄金のワンパターンとなる、鉄砲玉としてムチャな任務をやらされる牙というパターンが確立するのでありました。



まだまだ続く。