首から下は地井武男

本日は、澤田幸弘監督・原田芳雄主演の「反逆のメロディー」を観ていたのです。

反逆のメロディー [VHS]

反逆のメロディー [VHS]

日活ニューアクションの世界~無頼・殺(バラ)せ 1968-1971

日活ニューアクションの世界~無頼・殺(バラ)せ 1968-1971

一匹狼のやくざの原田芳雄(素肌にジージャン)と、ヒッピーの佐藤蛾次郎(役名はゲバ作)、地井武男藤竜也が、企業舎弟の抑圧に対抗して暴れまくるものの、次々に殺されていくというストーリー。


やくざ映画」といえば「東映実録路線」、という感覚に慣れているせいか、どうにもキザで困ります。

  • 蛾次郎がギターを弾いてみんなで歌う。
  • 原田芳雄がチイチイの経営するビリヤード屋に行き、球を撞きながら藤竜也の行方を尋ねる。
  • 芳雄がチイチイをバーに呼び出すシーン。

電話では「オレは絶対会わねえ!」と言っていたくせに、芳雄がバーへ行くと
「遅かったじゃねえか」
と待っている。
「約束は11時のはずだ」と芳雄が言うと、
「本当に会いたかったら1時間前に来てるはずだ。俺を見てみろ、もう1時間も待っている」
ツンデレだっ!

  • 友情の証として、腕時計を交換した芳雄とチイチイ。

しかし、刺客に刺されてしまう。
時計を見ながら、
「見、見えねぇ。時計が見えねぇ…」
とつぶやいて絶命する。


1970年当時の日活は、経営の悪化によって大映と提携、ダイニチ配給に活路を見出そうとするなど迷走していた時期でした。

その迷走の中で、ニューアクションと呼ばれる傑作が次々に生まれます。

Hotwax〈vol.1〉日本の映画とロックと歌謡曲

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東映の泥臭いやくざに慣れた人間には、ちょっとスタイリッシュ過ぎる感もありますが。


日活は、その翌年にはロマンポルノへ移行するわけですが、ロマンポルノになってからも独特の空気感は変わらず、東映ポルノのはっちゃけた空気に慣れた人間にとってはちょっとスタイリッシュ過ぎる感もありました。

東映ピンキー・バイオレンス浪漫アルバム

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日活ロマンポルノ全史―名作・名優・名監督たち

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気付いたんですが、オレって邦画ファンじゃないんですね。東映ファンなんですね。