田舎レンタル屋雑感

大手のレンタル屋さんは、話題作を大量に仕入れ&すぐ中古落ちさせるというパターンが多く、古い作品はほとんど残っていなかったりします。

しかし、田舎の店に行くとけっこう凄いのを見つけることもありますね。

うちから車で20分ぐらい行った、宮城県南部某所にある某レンタル店。
ここは、異様な品揃えの仕方です。


まず、「ドキュメントホラー」というコーナーがある。
いまどき「グレートハンティング」借りる人がどれだけいるんでしょうか。

まぁわたしは借りてきましたけどね。
あと、フェイク・ドキュメンタリーの傑作「食人族」がこのコーナーにあるのはまだしも、
人喰族 [DVD]

人喰族 [DVD]

「人喰族」は完全な劇映画形式なのでここに置くのはどうかと。

それから、「魔界の大陸」というアフリカを舞台にしたモンド映画のビデオも見つけたのですが、

魔界の大陸 [VHS]

魔界の大陸 [VHS]

パッケージの惹句に「生きたままの動物解体!」とか「麻酔なしでの手術!」とかに混じって「ヘテロSEXの饗宴!」とありました。
ヘテロSEXというのはごく普通のことなんじゃないでしょか。


あと、昔のビデオってパッケージのデザインとかもちょっと異様だったりしますね。

殺しのドレス スペシャル・エディション [DVD]

殺しのドレス スペシャル・エディション [DVD]

ブライアン・デ・パルマ監督はわたしのことのほか好きな映画監督ですが、この「殺しのドレス」は、デ・パルマ監督が敬愛してやまないヒッチコックの「サイコ」を下敷きとしたサスペンスの傑作です。

なんですが、某レンタル店で見つけた、昔出ていたビデオ版

殺しのドレス [VHS]

殺しのドレス [VHS]

では、パッケージに事件の意外な真相を全て暴露してありました。

えーと、現代のインターネットで漫画やら小説やら映画やらについて書く人間は「ネタバレ」というものに多少なりとも配慮しているものです。
アルフレッド・ヒッチコックは、「サイコ」の予告編に「結末は誰にも話さないで下さい」というキャッチコピーを付け、上映開始後の入場を禁止するという徹底したやり方でネタバレを防止しました。

サイコ [DVD]

サイコ [DVD]

(↑ウルトラメガ名作なので観たことない人は今すぐ観るように)

「結末は秘密」というのはサスペンスの鉄則。
なのに、コレを忘れてしまうほどにビデオ黎明期はアツかったんでしょうかね。

地獄のシネバトル―世紀末映画読本

地獄のシネバトル―世紀末映画読本

江戸木純さんの本を読むとそんなことを考えてしまいます。