柳美里先生もこの方を見習いましょう
昨日取り上げた「餓狼の弾痕」は「トンデモ本の世界R」で取り上げられたこともあって、大藪春彦ファン以外の方にも有名です。
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- メディア: 単行本
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で、この作品は構成のムチャクチャさや人物のネーミング(「金高信」やら「小野沢一郎」「梶山静五」など。もう本名で書けよ)が異様なインパクトを与えていますが、実は大藪先生はいきなりこの作品を書いたわけではなく、こういった「要人襲撃・処刑小説」を古くから書かれていました。
- 作者: 大薮春彦
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 1979/06
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ご丁寧に、子分の「横田」まで登場します。明らかに横井英樹ですね。
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作品中で、矢島は主人公の伊達邦彦によって株を買い占められ、グループから追放されて煩悶死します。実在する人物をこんな風に書いて大丈夫だったんでしょうかね。
- 作者: 三島由紀夫
- 出版社/メーカー: 新潮社
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- 作者: 大薮春彦
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 1989/08
- メディア: 新書
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敵は田口首相と政商の水野。言うまでもなく田中角栄と小佐野賢治です。
連載開始から一ヵ月後に田中内閣総辞職、単行本が出てから半年後にロッキード事件発覚というのは奇跡的なタイミングですね。
- 作者: 大薮春彦
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 1984/01
- メディア: 文庫
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誰がどう見ても一日一善のあの先生です。
- 作者: 大薮春彦
- 出版社/メーカー: 集英社
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ソウルから引き揚げてきた大藪先生は、日韓ロビイで暗躍していた政治家の代表といえる岸信介が大嫌いだったようで、最も悪辣で無様な鬼畜として描写されています。
こういった作品の流れの行き着く先として「餓狼の弾痕」があったわけですね。