プロレスと在日コリアン
- 作者: 李淳【イル】
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 1998/04
- メディア: 文庫
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プロレスファンの間では、古くからこんな伝説がありました。
力道山の自宅には、誰も入れない秘密の部屋があり、朝鮮雑貨やレコードが揃っている。
力道山はときどきここにこもり、望郷の念を噛みしめている。
力道山に近かった人物の証言によりこの伝説は否定されていますが、孤独に故郷を思う英雄の姿を想像すると、男の魂のどこかが震えるものがあります。
力道山以来の伝統として、プロレス界には半島系の方が少なくありません。
古くは、「パッチギ!」の語源となった頭突きの使い手である大木金太郎しかり。
80年代から90年代にかけ、プロレス界の方向性を巡って争ったこの2人ですが、長州は在日二世、前田は在日三世の韓国人*2でした。ファイトスタイルの違いのみならず、国籍についての考え方についても確執があったのではないかと思われますが、そういうプライバシーに関することには踏み込まないのがプロレスマスコミのしきたりであり、ファンもあえて関心を持たないことになっていますのでなんとも言えません。
先日コメントをいただいたid:lovekoreaさんは、ご自分のブログで「ボクには故郷がありません」と書かれていましたが、前田日明はこんなことを言っていました。
自分の祖国は、現在の韓国でも現在の北朝鮮でもなく、統一された新国家でもない。 自分の祖国は、なくなってしまった李氏朝鮮である。
彼の発言について、日本人のわたしには「カッコイイ」以外の感想を持つことができません。
ですが、なんだか真理をついているような気もします。
アントニオ猪木が中心となって平壌で興行を行ったのはもう何年前のことだったでしょうか。
あの時のリック・フレアーとの試合は、まさに名人芸でしたなぁ。