日本文学は萌えの宝庫
先日、街を歩いていると「萌え」と大きくプリントされたジャージの上着を着た女の子を目撃しました。・・・萌えません、それじゃ。
まぁあまり萌え萌え言ってると大谷昭宏さんに犯罪者予備軍と言われるかもしれませんが(笑)
現代の頽廃文化が生んだ現象と思われがちな萌えですが、文学の歴史を紐解くとそこには絢爛たる萌えの曼陀羅が展開されています。
日本最古の小説である「源氏物語」には、「未来の妻として少女を引き取り、自分好みに育てる」という、「プリンセスメーカー」(懐)の元祖というべきテーマがすでに見られます。
パタリロ源氏物語! (1) (花とゆめCOMICS (2718))
- 作者: 魔夜峰央
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で、「源氏物語」の現代語訳を手がけた谷崎潤一郎が、同じテーマで大正末期に書いた小説がこれ。
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主人公、河合譲司は未来の妻として少女ナオミを引き取る。おままごとのような暮らしの中でナオミは美しく成長していくが、溺愛されたため増長、高慢で淫奔な女へと変貌する。
譲司は、一度はその浮気を責めて家から追い出すが、ナオミの誘惑に抗しきれず、彼女に服従を誓って復縁し、完全にナオミの支配下におかれるようになってしまう。
こんなストーリーですが、現代の言葉で一言で言えば「M男による女王様逆調教」ですね。
女が幼いころ(といっても14〜5歳くらい)二人はお馬さんゴッコをして遊ぶんですが、復縁するときも、男は「あのころのように俺を馬にしておくれ」といって四つんばいになります。その背中に女が馬乗りになって「これからはあたしの言うことを何でもきくか」と迫り、男は「うん、きく」と全て従ってしまうわけです。
これは「奴隷契約」ですね。
こういう、うたたねひろゆきの漫画みたいな小説が大正時代にすでにベストセラーになっていたわけです。
「女王様はちょっと萌えないなぁ」という向きには川端康成の「伊豆の踊子」をお勧めします。
- 作者: 川端康成
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「女風呂を覗くんじゃないっ!」