放蕩息子の帰還

たかが2泊3日のドライブだけど、たまにしか家を空けないので本人的にはけっこうな大ごとなんであります。


「とにかく知らないところへ行きたい」という、日常からの逃避願望を満たすためにとりあえず12日の早朝(といっても7時だけど)に自宅を出発。帰省ラッシュにぶつかるのもいやなので高速道路はなるべく使わず、とりあえずいつも行かない地方に行きたいので、新潟県を目指すことに。


仙台から新潟に向かうには、福島県を通る磐越ルートと、山形の鶴岡市を通る庄内ルートがありますが、今回はどちらも使わず、山形県南部の南陽市長井市―小国町を通る置賜ルートを選択。山間の、ガチの豪雪地帯に特有の建物の作り(民家の一階がガレージで、2階から出入りするようになっていたりする)を眺めたのちに日本海へ到着いたしました。


この時点で、新潟名物って何があるのかもまったく調べてないので、とりあえずコンビニに入って地元タウン誌を見たら、タレかつ丼(甘辛しょうゆ味のタレに漬けた、薄めのトンカツを何枚もご飯に載せる)が名物らしいことがわかりました。というわけで行ってみたんです。




ご飯の中からまたカツが出てくるという、関西でいう「まむし」のうな丼に近い構造です。カツの肉は薄めで、さっくりと口当たりがよかったです。「いただくドン」というのは中西学へのリスペクトの表明です。


で、新潟市内をクルマでうろうろして、万代橋を渡ったりなどしたあと、とりあえずどっかの安いビジネスホテルに泊まろうと、スマホ楽天トラベルにアクセスしてみます。「新潟市」「新発田市村上市」「燕市三条市長岡市」「苗場・湯沢」「魚沼・十日町」「柏崎・上越」などいくつかの地域に分かれていますが、地理にうといのでどこがどの辺なのかもさっぱりわからない。苗場ってのはたしかフジロックやるところで、魚沼ってのはコシヒカリがうまいところで、柏崎ってのは原発があるんだよな、ぐらいのぼんやりした認識しかありません。どうやら燕市がいちばん相場が安いので、そこのビジネスホテルを予約してから、燕市新潟県のどこにあるのか調べるという行き当たりばったりっぷりでありました。


ランチが大ボリュームだったので、夕食に名物の燕三条ラーメン(太麺に背油チャッチャ系)を食べる元気もなく、ホテルでコンビニのおにぎりを食べて1日目は終わり。


2日目は、ツイッターで「燕市にいる」とつぶやいたらフォロワーさんに「ここがいいですよ!」と教えてもらった、有名なディープスポットの「ドライブイン公楽園」に行ってみました。



先日、NHKのドキュメント番組で取り上げられたばかりなので、朝の9時でもけっこうお客がいましたね。




自動販売機でチーズトーストサンドを買いました。味はふつうに、食パンにチーズをはさんだ味でした。人気商品でお客さんが次々にこれを買っていくのですが、売れるたびに事務所からおばさんが出てきて(割ぽう着にもんぺみたいなズボンをはいて、頭には手ぬぐいを姉さんかぶりにしている。昭和イメージのコスプレとしか思えなかった)、アルミホイルに包んだトーストサンドを補充していくのがまた面白かった。自販機なのに、実質対面販売に近いじゃないか!
昭和レトロ自販機大百科

昭和レトロ自販機大百科


ここについては、動画がいくつも公開されていますのでご覧ください。

  • 激渋ホテル公楽園 特別室宿泊 トーストサンド自販機


いっそここに泊まってもよかったなぁ。あと、ゲームコーナーでは、ゲーム機はかなり古いけど(『コラムス』とか久しぶりに見た)、パチンコ・パチスロ台はそんなに古くないのが印象的でした。


で、この時点で次はどこに行くか、そもそもいつ帰るかもまったく決めてなかったんですが、関東方面に行くとさすがに帰るのがたいへんなので、新潟市に戻って今度は磐越ルートで福島県に入ることにします。


磐越ルートだと会津若松に入るので、今度はソースかつ丼を食べることに。最初に行った店は行列ができてたので、またスマホで検索して別の店(こっちも人気店だった)に行ったらもう午後2時でした。



ソースの味はかなり甘口で、肉も厚いけど柔らかく、脂身も多すぎなくて食べやすいんですが、さすがにこの量はすごかった。これだったら肉は半分残して持ち帰り、パンを買ってかつサンドにしてもよかったかなぁ。あのね、ぼくもこの歳でさすがにわかったんですけど、人体って、2日も続けてカツ丼を食べるようにはできてないですね。胃腸がかなり疲労したのを感じたので、この日もどこかに泊まることに。福島県内をまた楽天トラベルで調べたら、会津から比較的近い、郡山市によさげな宿が見つかったので、そこにチェックインしたのが午後4時ごろ。ベッドに倒れ込んでそのまま眠っておりました。


と、このようにして2泊3日のあてどなき旅は終わり、3日目はもはやランチを食べる気力すらわかないまま、自宅へ直行したのでありました。3日目にはふつうのカツ丼を食べようかとも思ってたんですが、とてもそんな胃力(いぢから、とでも読んでください)はオレに残されていませんでした。

この旅行でわかったこと

  • 豪雪地帯では道路に歩道橋があまりかかっておらず、そのかわり地下歩道が非常に多い


……それだけ?


それだけ。