痛恨!ジャンボぱぴー

平山夢明さんの『デブを捨てに』を読んでたらこんな時間(深夜一時)になってしまった。

デブを捨てに

デブを捨てに

今回のは、平山作品としてはそんなに怖くないし、イヤーな話というわけでもない。基本的にはユーモア小説といっていいのだが、もちろん平山さんだからただごとでないシチュエーションと悪意を込めてあって、最高なのだ。


風来坊の男が、個性的な最低人間たちと出会う(相互にストーリー上の関連はないが、主人公は名前がちょっと違うもののほぼ同じ人間)「いんちき小僧」「マミーボコボコ」「顔が不自由で素敵な売女」「デブを捨てに」の、2011年から2012年にかけて「オール讀物」に掲載された4話を、加筆修正したものだが、個人的にいちばん好きなのが「マミーボコボコ」だった。


日雇い現場で知り合ったおっさんから「娘と35年ぶりに再会するのにつきあってくれ」と頼まれ、しぶしぶ帯同していくと、娘は大家族バラエティでぼんぼん子どもを産む母親になっていた……というお話で、サイコーに最悪である。ちなみに番組タイトルは「痛恨!ジャンボぱぴー」で、父親がしゃべるセリフ回しも完全に林下清志を再現していて、サイアクに最高な笑いをくれるのであった。