ぞうとおじさん
ドラえもん全巻、113小学校に寄贈 藤子ミュージアム:朝日新聞デジタル
川崎市藤子・F・不二雄ミュージアム(多摩区)は25日、市立小学校113校すべてに単行本「ドラえもん」(全45巻)と「ドラえもんプラス」(全5巻)を贈ると発表した。藤子・F・不二雄さんが12月1日に生誕80周年を迎えるのを記念したもので、同日にミュージアムで寄贈式がある。
藤子・F・不二雄さんは1961年から亡くなる96年まで、多摩区に住んだ。「代表作を地元の小学生に楽しんでもらい、川崎がゆかりの地だと知ってもらえれば」とミュージアムの担当者。
まぁこれはいいと思うんですけど、ちょっと前に、松江市の学校図書館で『はだしのゲン』が問題になったじゃないですか。
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5巻に収録されているエピソード「ぞうとおじさん」は、戦時中に殺処分された動物園のゾウを救うために、のび太とドラえもんがタイムマシンで過去に行く話です。絵本「かわいそうなぞう」でも有名な実話をもとにしています。
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これは軍の命令ではなく、都道府県など行政による判断だったのですが、漫画では憲兵が動物園にやってきて、毒入りの餌を食べない象に業を煮やし「おれがかたづける!」と息巻いて銃と軍刀を持ち出す場面があります。
こういう「威張り憲兵」というアーキタイプも、昔の漫画ではちょくちょく見かけたんですけど、最近の若い人には通じないのかなぁ。「お国のために奉職する憲兵さんを悪しざまに描くのはけしからん!」なんて怒っちゃったりしてね。
のび太とドラえもんが、
こんなことを言って憲兵を激怒させるのも、愛国の子たちがよく振りかざす「現代の価値観で過去を断罪するな」的なリクツからいえばけしからんってことになりますね。
……などというヨタ話を考えたんですが、まさか実際にそんなことを言いだす人はいないだろうと思ってたんですよ。
http://kampfgruppe.blog94.fc2.com/?no=139
「ドラえもん 憲兵」で検索したらこんなブログ記事がヒットしたんですが、いやぁ世の中には予想を超える人ってのが常にいるもんですね。
[ドラえもん]極悪日本兵が象を処分の構図に物申す
非常にこれを見て不快に思ったのは言うまでも無く日本兵が動物を射殺しようとする極悪人の集団として描かれている点で、60数年前実際に処分にかかわった人とて、好き好んで動物を射殺したわけではない。やむをえず、必要に迫られてやったわけである。
動物というか弱い存在を利用してこのような報道を行うのは大変卑劣だと思うが、実際問題として、そもそも動物園の存在そのものが人間のごう慢ではないだろうか?
動物にとって一番の環境は自然環境そのものであり、人間が勝手に動物園に放り込んで商売として利用することがこの件以前に問題であると感じる。
動物園そのものを否定するわけではないが、そもそもの根本的な問題を無視して日本兵を、悪でご都合主義な悪い奴みたいに描くのはよくないと思うが・・・
こういう人は、ドラえもんなんか見ないで一生「俺は、君のためにこそ死ににいく」でも観てればいいと思いますけどね。
ちなみにこのエピソードでは、ドラえもんは殺されそうになったゾウをスモールライトで小さくして、ゆうびんロケットで故郷のインドまで送ります。これが、その後は定番アイテムとして頻出する、スモールライトの初登場エピソードだったのでありました。
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あと、2ちゃんねるでよく使われるネタ画像の、
これも、このエピソードで、ゾウを毒殺しようとする飼育係が元ネタになっているのでありました。