焼津のハンズィ

最近は、地方自治体や商工会議所が萌えアニメとタイアップして、萌えで町おこしをする例がよく見られます。金沢市は『花咲くいろは』とタイアップして、劇中に出てくるお祭りを実際に開催していますし、大洗町は『ガールズ&パンツァー』とタイアップして大成功を収めています。


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みうらじゅんが提唱したゆるキャラブームはすでに飽和状態となっている現状もあり、萌えに活路を見出す地方が少なくありません。

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というわけで、今度は静岡県の焼津漁港で新たな萌えキャラが生まれました。


特産サイト「萌え系」に託す 焼津商議所が新キャラ採用 | 静岡新聞 特産サイト「萌え系」に託す 焼津商議所が新キャラ採用 | 静岡新聞

 焼津商工会議所は運営する特産品ショッピングサイト「焼津うめぇもん市場」のシンボルキャラクターを作成した。アクセス数が伸び悩む同サイトの「起爆剤に」と“採用”したのは、漁師町・焼津のイメージとはやや懸け離れた「萌え系」の女の子。新たな看板娘を前面に押し出し、焼津の魅力を全国に発信する。
 キャラクターは焼津市に住む小学6年生の設定。趣味は漁師の祖父から教わった魚釣りと焼津神社の荒祭りへの参加、好きな風景は「親水広場『ふぃしゅーな』(焼津新港)からの富士山」とあくまで焼津にこだわった。
 デザインはプロのキャラクターデザイナーが考案した。水色の髪と大きな目が特徴的で釣りざおを持ったり、魚河岸シャツを着たりと「港や市場で遊んでいる女の子をイメージにした」(同商議所担当者)という。
 同商議所がこのような「萌え系」キャラを作成した背景には、同サイトの利用の落ち込みがある。
 2008年に開設した同サイトはマグロやカツオの刺し身をはじめ、同市の水産業者自慢の加工品、干物など約200点を販売している。新鮮さと産地直送の味が大きな魅力の一つだが、サイトへのアクセス数は10年度は1万7280件、11年度は1万1050件、12年度は7394件(2月末現在)とこの3年で約半分にまで減少した。
 そんな中「少しでも目を引きたい」と考えたのが今回のキャラクター。同商議所の担当者は「子供や若い人にも興味を持ってサイトを見てほしい。商品の認知度も上げていきたい」と活躍に期待を寄せている。

趣味は魚釣り 青い髪特徴 愛称を募集中

 焼津商工会議所は運営する特産品ショッピングサイト「焼津うめぇもん市場」の新キャラクターの愛称を募集している。
 応募は1人1点。22日まで受け付ける。発表は5月下旬の予定。応募用紙を同商議所に持参、郵送、ファクスするか、同サイトからも応募できる。採用された人には賞金3万円と同サイト商品詰め合わせ(2万円相当)をプレゼントする。
 問い合わせは同商議所<電054(628)6251>へ。

サイトのアクセス数が1年で1万足らず、というのが悲しいですね。うちクラスの中堅ブログでも、ホッテントリが上がれば1日で稼げるレベルのアクセスですよ。そんな状況で起死回生を狙った、まだ名前のない萌えキャラがこちら。


こ、これは(アカン)。
これね、萌えの文脈にまったく沿ってないデザインですよ。1960年代以前のセンスです。漫画家でいえばムロタニツネ象とか、あの辺。

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プロのキャラクターデザイナーが考案したとのことですが、現代の萌え文化にはうとい人なんでしょうね。40年前に引退した元劇画アシスタントとか、工業デザインが本職でアニメなんて見たこともないおじさんとか、そういう人がデザインしたとしか思えない。


でもですね、焼津商工会議所の人たちはこれを「萌え系」と認識して採用したわけですから、おじさんたちの目にはきっと、あずにゃんとか肉とかもこれと同じように映ってるってことですよ!

あずにゃんこと中野梓。使用ギターはCharと同じフェンダームスタング

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(肉こと柏崎星奈。趣味はエロゲーで、よく下呂を吐く)



あずにゃんと肉という人選も、萌えの最前線を行くお歴々にいわせれば微妙に古いのかもしれませんけどね。


萌えの文化にあるていど親しんでいると、こういう萌え絵の文脈が理解できるようになりますけど、文化のコードを共有していない人たちからすれば、奇形的な進化を遂げた絵としか認識されないんだろうなぁ。恐ろしいことですが、そういう視点は常に持っているようにしたいものです。