文春の丸かじり

おにぎりの丸かじり (文春文庫)

おにぎりの丸かじり (文春文庫)

東海林さだおの『おにぎりの丸かじり』文春文庫版を買ってきたッス。

 
『パイナップルの丸かじり』『コロッケの丸かじり』そして『おにぎりの丸かじり』と、三ヶ月連続刊行のトリを務める一冊でした。


「丸かじり」シリーズは、週刊朝日に連載されているコラム「あれも食いたいこれも食いたい」をまとめて、まず朝日新聞社から単行本が出ます。それから何年か経って文春文庫に入る、というのがいつものパターンです。ですが、この三ヶ月連続刊行により、単行本→文庫のサイクルがどんどん早まっています。

第一弾『タコの丸かじり』

タコの丸かじり

タコの丸かじり

  • 単行本:1988年刊行

タコの丸かじり (文春文庫)

タコの丸かじり (文春文庫)

  • 文庫版:1994年刊行

初めの頃は、5〜6年は開くのが常でした。しかし、『タケノコの丸かじり』『ケーキの丸かじり』あたりから4年遅れのペースとなり、今年になると文庫版の刊行ペースがグッと速まります。単行本の刊行ペースが年に二冊ほどなのに対し、文庫版は『うなぎの丸かじり』が7月、『パイナップルの丸かじり』が10月、『コロッケの丸かじり』が11月、『おにぎりの丸かじり』が12月、と四冊も立て続けに出ています。

うなぎの丸かじり (文春文庫)

うなぎの丸かじり (文春文庫)

この連続文庫刊行により、『おにぎりの丸かじり』は朝日新聞社の単行本から3年たらずで、文春文庫に入ることとなりました。この辺は文藝春秋の豪腕によるものと考えていいでしょうか。


そもそも、朝日新聞社でも文庫本は出しているのに、なぜ「丸かじり」シリーズに限って文春文庫から出ているんでしょうね。中島らもの『明るい悩み相談室』なんかはちゃんと朝日文庫から出てたのに。

まぁ、これものちに集英社文庫に移りましたけどね。


朝日はあくまで新聞社であって出版社としては弱い、ってことなんでしょうかね。このままのペースで行くと、しまいには文庫のほうが先に出ることにもなりかねません。文春にはお手柔らかにお願いしたいものですね。