オヤジ・エイジ・ロックンロール
- 作者: 熊谷達也
- 出版社/メーカー: 実業之日本社
- 発売日: 2009/11/20
- メディア: 単行本
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熊谷先生は中学校の数学教師として教鞭をとった経験もあり、受講生の意見を聞きながらテキストに講評をするという流れがとてもスムーズでした。講師によっては、この辺の進行が苦手な方もいらっしゃるんですけどね。
小説は、読者に「作者は何が言いたかったのか」が伝わらなくてはいけない、というのが熊谷先生の持論です。
とはいっても、プロの作家は依頼に応じて原稿を書かなくてはいけないので、最初からテーマが確固として掴めているとは限りません。でも、書きながらでもそれは掴めると熊谷先生はおっしゃっていました。
うちのブログは、読んだ人に「結局おまえは何が言いたいんだよ」と思わせたくて書いているようなところがあるので、こういう真摯な態度に触れるといつも反省させられます。
また、講座の終わり近くになって、熊谷先生は受講生に「読んで人生観が変わった小説はありますか」と挙手を求めました。手を挙げた人はそれほど多くありませんでしたが、「そういう本にめぐり合えるのは人生で一冊あるかないか。めぐり合えた人は幸福です」とのことです。
ぼくは、迷った末に手は挙げませんでした。影響を受けた本はたくさんありますが、どれも自分の好みに合いそうな、人生観にマッチしそうな本を選んで読んだ結果のことですので。
これってたぶん、ぼくも含めてオタク気質の人ほどそういう「人生観が変わる」本とは出合わないと思うんですよ。オタクの人って、自分の価値観を変えられることをすごく嫌がる傾向がありますからね。
イベント告知
熊谷達也先生は、近作『オヤジ・エイジ・ロックンロール』で中年サラリーマンがバンド活動をする話を書かれましたが、ご自身もロックバンド”K'z”のギタリスト兼リーダーとして、地元のライヴハウスなどで演奏活動をされています。
そしてこのほど、5月16日になんとZEPP SENDAIでの公演が決定いたしました。
- 16時開場、16時30分開演
- 入場料金:2000円(+1ドリンク500円)
- 問合せ先:街角仕事人くみあい(022-223-1352)
文士劇というのは聞いたことがありますが、作家のバンドがZEPP公演というのはなかなか見られないと思います。ファンの方は、貴重な機会をぜひ逃されませんように。