いのちの戦国史

戦国BASARA3 ポストカードセット第参集

『戦国BASARA３』に登場する大谷吉継の設定をめぐり、日本ハンセン病学会がカプコンに抗議した、とのこと。

http://blog.livedoor.jp/htmk73/archives/2659857.html

石田三成の友人。徳川家康への復讐にしか目の向かない石田の補佐を司り、西軍の型を保つ。
重い病に侵されており、豊臣秀吉存命の時代より常に周囲から疎んじられてきた。
己の身のみに降りかかった不幸を許容することができず、
すべての人間を不幸に陥れることを目的に、天下分け目の戦を起こすため暗躍する。

これはアウトでしょ。

歴史上実在した人物を魔人として描くフィクションはよくあります。天草四郎時貞なんかまともな人間として出てきたためしがないし。

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非業の死を遂げた人物を復讐鬼として甦らせる、というのも定番ではあります。平野耕太の『ドリフターズ』では、火刑に処されたジャンヌ・ダルクが異世界で炎の魔人として転生し、「熱いよ熱いよう、みんな燃えてしまえあはははは」と笑う狂気じみた人になっていますし、ロシア革命でボルシェヴィキに処刑された皇女アナスタシアはなぜか雪女に転生してます。

でも、現在でも苦しんでいる人がいる病気をネタに、「病のせいで人格が歪んだ絶滅主義者」として実在の人物を出すのはさすがにまずいと思います。ただでさえデリケートな問題なんだから。

「いのち」の近代史―「民族浄化」の名のもとに迫害されたハンセン病患者

というかこの設定、実在の大谷吉継と、國枝史郎の『神州纐纈城』に出てくる纐纈城主が微妙に混ざってる気がしないでもない。

神州纐纈城 (河出文庫)

まぁ纐纈城主自体が、大谷吉継の病気をモチーフにして、大正時代の人権感覚で味付けしたものなんでしょうけど。

（あと、ポーの『赤死病の仮面』もちょっぴり入ってる気がする）

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『戦国BASARA』はプレイしたことないんですけど、メーカーの公式サイトを見ると、雑賀孫市が女になってたりするんですがこれは大丈夫なんでしょうか。

…まぁ、この業界にはよくあることですけどね。

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