文学賞にもいろいろある

まずはお祝いをひとつ。

http://konomys.jp/07kono/index.html
ぼくの知人である柚月裕子さんが、今年度の「このミステリーがすごい!大賞」を受賞されました。


http://yamagata-np.jp/news/200809/24/kj_2008092400388.php

山形市柚月裕子さんが大賞 「このミステリーがすごい!

山形市フリーライター柚月(ゆづき)裕子さん(40)の長編「臨床真理」が、第7回「このミステリーがすごい!」大賞(宝島社など主催)に決まり、24日発表された。福祉施設で死んだ少女をめぐって、臨床心理士の女性らが真相を探るミステリー。第3回の大賞には南陽市深町秋生さん(32)が選ばれており、県人として2度目の快挙となった。


福祉施設で少女が手首を切り自殺した。しかし、特別な感覚を持つ第1発見者の青年藤木司は、少女が殺されたと訴える。臨床心理士佐久間美保は、自分が担当する司とともに、少女の死の謎を追う。

おめでとうございます!


で、世間には変わった文学賞もあるものでして。


http://mainichi.jp/enta/art/news/20080925ddm041040125000c.html

日本ケータイ小説大賞:第3回はkikiさん「あたし彼女

第3回日本ケータイ小説大賞・源氏物語千年紀賞の発表と表彰式が24日、東京都内のホテルで行われ、大賞にkikiさん(23)の「あたし彼女」が選ばれ、賞金200万円が贈られた。同作はTSUTAYA賞、JOYSOUND賞にも選ばれ、トリプル受賞となった。


あたし彼女」は今時の若者言葉を多用した今までにない文体で、切ない恋心をつづった。審査委員長を務めた作詞家、秋元康さんは「言葉のリアリティーがすごい。こんな小説は読んだことがない」と絶賛。また、ケータイ小説が好きという卓球選手の福原愛さんが登場し、大賞受賞者に花束を渡した。

同じ日に発表された文学賞でも、エライ違いがあるもんですね。


んで、受賞作品『あたし彼女』はこちらで読めます。

http://nkst.jp/vote2/novel.php?auther=20080001


パソコンからだと読みづらそうだったので、携帯を使って、頑張って、そりゃもう頑張って、歯を食いしばって読んだんですが、全九章のうち第三章まで読んだところで充電が切れたので、ぼくの忍耐も切れました。はてブを見るかぎりでは意外と好評で、「泣いた」とか言ってる人もいるんですが、そういう人は、ぼくとは脳のつくりも食べてるものも吸ってる空気の成分も肉体を構成している物質も何もかもが全く違うんだと思います。




ラストから逆算して、各章アタマと末尾を読むという裏技で内容を把握した限りでは、ツンデレ女と引きずり男のラブストーリーで、例によって妊娠して流産して真実の愛に目覚めてシャンシャン、みたいな新味のないお話ではありますが、なにしろ文体が特異で斬新、といっていいのかどうか。

アタシ

アキ

歳?

23

まぁ今年で24

彼氏?

まぁ

当たり前に

いる

てか

いない訳ないじゃん

みたいな

彼氏は

普通

てか

アタシが付き合って

あげてる

みたいな


こんな調子でずーっと続いてきます。この文体、テンプレ化がはやるだろうなーと思ってたらもうあちこちで改変されてますね。

『あたし彼女』風吉野家コピペ - 湯=気/日+記
(↑とくにこれが秀逸。)


ぼくも挑戦してみます。

オレ

井之頭五郎

仕事?

貿易商

まぁ輸入雑貨屋

注文?

まぁ当たり前に

煮込み雑煮

てか

来月からなんじゃん

みたいな

結局

腹にたまるものがない

てか

出鼻をくじかれて

がーんだな

みたいな

伊達邦彦

拳銃?

ウッズマン

自分の

ほかに

頼りになる

ものって

武器と

お金しか

なくない?

てか

金で

買えないものに

ろくなもの

ないし

みたいな

相棒は

真田

でも

もう用無し

てか

ふつうに

寝てるし

みたいな

ほら

空きそうだぞ

股の間が

いいのか

いいのか

いくぞ

一瞬でも

隙ができたら

おれは

遠慮なんて

しないからな

ほら

文七は

右足で

蹴りを入れた

葵文吾の

股間

真下から

やや

斜め上に

入った

「げむっ!」

文吾が

声をあげて

呻いた

「げむむむむむむ―」

下腹部を

押さえる

どうだ

葵文吾!

餓狼伝〈10〉 (双葉文庫)

餓狼伝〈10〉 (双葉文庫)

最後のは、あんまり変えてないんですけどね。