遊星より愛をこめて

フリージャーナリストで、在韓被爆者問題市民会議代表の中島竜美氏がお亡くなりになりました。

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2008011101000371.html

 中島竜美氏(なかじま・たつみ=在韓被爆者問題市民会議代表、フリージャーナリスト、本名中島龍興=なかじま・たつおき)10日午前11時27分、虚血性心不全のため東京都目黒区の病院で死去、80歳。東京都出身。自宅は東京都世田谷区上野毛4の33の20。葬儀・告別式は17日午前10時から東京都品川区西五反田5の32の20、桐ケ谷斎場で。喪主は未定。

 52年に早大卒業後、文筆活動に入り、原爆被害者の補償・援護問題を中心に取材を続けた。原爆症治療を求め70年に韓国から日本へ密入国した被爆者、孫振斗さんの支援に、当時中国新聞記者の平岡敬氏らとともに携わるなど、国の施策の対象外にあった韓国、米国、ブラジル在住被爆者の援護を長年訴えた。編著書に「朝鮮人被爆者孫振斗裁判の記録−被爆者補償の原点」。

さて、うちは別に左翼ブログでもないのになぜこの方を取り上げるのかというと、この人、ウルトラセブン』第12話「遊星より愛をこめて」に抗議した張本人なんですね。

封印作品の謎―ウルトラセブンからブラック・ジャックまで (だいわ文庫)

封印作品の謎―ウルトラセブンからブラック・ジャックまで (だいわ文庫)

↑この本にくわしく書いてあるのですが、この人の娘さんが、「小学二年生」1970年11月号の付録「かいじゅうけっせんカード」におけるスペル星人に「ひばくせい人」とキャプションがついているのを見つけ、父親の中島氏が小学館に抗議したというのが端緒となり、最終的には、第12話の映像素材およびスペル星人のキャラクター商品すべてを封印するに至ったのでした。


今でも、封印作品の代表としてマニアの語り草になっているこの作品。


古くは海賊版ビデオで流通し*1、ネット時代になってからはP2Pで広まり、近年はYouTubeなんかでカンタンに観られる*2ようになりました。


しかし、オフィシャルには封印が解けることはなく、中島氏と脚本の佐々木守氏が光文社の「FLASH」誌上で対談したりもしていたのですが、佐々木氏は2006年2月に亡くなり、監督の実相寺昭雄氏も2006年11月に死去、そして中島氏もお亡くなりになったため、もう当事者がいなくなってしまいました。


今では円谷プロの経営者も代わりましたが、この封印だけはずっと変わらないのでしょうか。

*1:宮崎勤もこれを持っていて、ダビングしたものをマニア間での交換時の切り札にしていたという。

*2:さすがにここに貼るのはなんなのでやめておきます。「ultra seven」で検索すればすぐ出ます。