吹替洋画劇場
本日は「ロッキー・ザ・ファイナル」観にきております。
というわけで
観てきたわけですが。
考えてみるとオレ、吹替えじゃないロッキーってほとんど初めてなんですよ。
オレぐらいの世代だと、ほとんどの人が「ロッキー」ってテレビで観てると思うんです。
だもんで、ロッキーの声はもちろん羽佐間道夫だし、ポーリーはもちろん富田耕生。
脳内変換しながら観たのでした。
羽佐間さんはもう73だし、富田さんも70過ぎ。吹替え版つくるんなら早めにしてほしいですね。
んで、肝心の内容ですが。
途中まではすげーグッときたですよ。
ペットの亀とか、ポーリーとふたりでエイドリアンとの思い出の場所を巡るところとか。
第一作で、アポロと戦う前の試合相手だったスパイダーが出てくるところなんか、もうやるせなくて死にそうでしたよ。
でもこれスパイダーだからまだいいですけどね。
飛行機嫌いのせいで身を持ち崩したミスターTとか、ソ連崩壊のどさくさでアメリカへ移住したものの資本主義になじめずに落魄れたドルフ・ラングレンとかが、ロッキーの店で皿洗いやってたら、あまりにやるせなくて本当に泣いちゃうじゃないですか。
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アポロ・クリードのトレーナーだった黒人のおじさんが、今回も出てるのは嬉しいファンサービスですね。
ただ、ロッキーたちはエイドリアンの思い出はよく語るのですが、アポロのことはこれっぽっちも思い出さないのがちょっと薄情なんじゃないかと。
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今回のヒロインとなるリトル・マリー(ジェラルディン・ヒューズ)は、これが映画デビューだそうですが実に魅力に乏しく、やるせなくブルージーな作品のトーンにはよく合ってました。
どうせだったら、第一作で同じ役を演じてた人を発掘してほしかったですが、それはさすがに無理ですね。
んでまぁ、老いたロッキーがもう一度燃えたくて復帰してくるところとか、チャンピオンなのに相手に恵まれないせいで人気の出ないディクソン(アントニオ・ターヴァー)の苦悩(すげーいい味を出している)とか、例によって例のごときトレーニング場面とか、やっぱり欠かせないフィラデルフィア美術館の階段とか、男泣きポイントはふんだんにあります。
で、試合が始まると。
リングアナウンサーは本物のマイケル・バッファー*1だし、レフェリーは本物のジョー・コルテスさんだし、試合の放送フォーマットは本物のHBOのとまったく同じだし、「エキサイトマッチ」見てるような感覚になります。
放送席の吹替えは、高柳謙一・浜田剛史・ジョー小泉のトリオで是非お願いしたいものだと。
でも、エキシビジョンで10ラウンドっていくらなんでも無理がありすぎるでしょ。
おまけに、第2ラウンドぐらいでディクソンが腕を傷め、「折れた」とまで言ってたのにそこから回復するってのもどうかと思います。
せめて、
- 3ラウンド制、判定なし
- 左腕を傷めたディクソンが片腕で戦う
ということにしてくれれば、もう少しリアリティも出るし、若いディクソンの試練ってことにもなって、彼の未来にもつながるでしょ。
60歳のロートル相手に、10ラウンド戦ってスプリットデシジョンになるような世界チャンピオンが、人気ものになれるとは思えませんからねぇ。
*1:「Let's get ready to rumble!」の人