筋肉映画ベストテン:結果発表 〜淀川長治先生に捧ぐ〜

昨日まで募集していた「筋肉映画ベストテン」にご参加いただいたみなさまには、心より御礼を申し上げます。

ボディビルディング 2016年 06 月号 [雑誌]

ボディビルディング 2016年 06 月号 [雑誌]

2週間ほどの期間に、コメント欄/トラックバックツイッター合わせて35名さまのご参加をいただき、161本の映画が挙げられました。
昨年の「おっぱい映画」に比べてぐっと訴求力の低い/むさ苦しい/汗臭い題材にも関わらず、ご参加いただきまして本当にありがとうございます。


配点は、1位10点、2位9点、3位8点、4位7点、5位6点、6位5点、7位4点、8位3点、9位2点、10位1点。順不同の場合は一律で5.5点となります。


ではさっそく発表していきます! Hustle Muscle!

1位:燃えよドラゴン(84.5点、得票11):ブルース・リー/ヤン・スエ


映画の歴史において、東洋人が世界を制した記念すべきマイルストーンとなるこの1作。俳優のみならず武道家/思想家(ジークンドーとは単なる武道ではなく思想である)としての功績も大きなブルース・リーですが、ボディビルダーとしてのリーも、高く評価されております。バルクの大きさは西洋人に劣りますが、このカットの出かたは素晴らしいのひと言!


なお、ヤン・スエへの投票もかなりありました。後年『Gメン’75』に出演したときの持ちネタ「筋肉に力をこめるとビキビキという謎の音がする」はまだ出てこないし、よく考えるとリーと戦ってもいないんですが、その豊かなバルクは、独特のルックスとあいまっていい味を出しておりました。

2位:ターミネーター(68点、得票10):アーノルド・シュワルツェネッガー


シュワルツェネッガーにとっても、監督のジェームズ・キャメロンにとっても大出世作となったこの1本。当初は、細身だが強い殺人ロボットとしてランス・ヘンリクセンターミネーターを演じる予定だったというエピソードは有名ですが、キャスト変更は大正解だったといえるでしょう。でもランス・ヘンリクセンの全裸タイムトラベルも、見たかった気もする。

3位:コマンドー(55点、得票8):アーノルド・シュワルツェネッガー



大本命だった本作ですが、まさかの3位。みんな「ベタ過ぎる」と回避したのかもしれませんが、意外な結果でありました。

筋肉モリモリマッチョマンの変態だ!


4位:キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アヴェンジャー(47.5点、得票10):クリス・エヴァンス


日本の改造人間ヒーローは変身能力を得ることが多いですが、アメリカの改造人間はまず筋肉がつくという国民性の違い。マッチョな兵士が愛国プロパガンダに駆り出される、というブルーな展開は、太平洋戦争まっただ中の原作執筆時と、ベトナムイラクで戦争の苦みをいやというほど味わった現代との、アメリカ国民の戦争観の変遷がよくわかるものでした。


同率4位:ペイン&ゲイン 史上最低の一攫千金(47.5点、得票8):ドウェイン・ジョンソン


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筋トレジムに対する偏見だけでできているような映画ですが、原作は実話だからしょうがない。筋肉をいくら鍛えても頭はよくならんのだ!

6位:ドラゴンへの道(45.5点、得票7)ブルース・リー/チャック・ノリス


ドラゴンへの道〈日本語吹替収録版〉 [DVD]

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ブルース・リーの東洋的にストイックな肉体と、チャック・ノリスの、西洋的に毛深くバルクが豊かな肉体の、コントラストが素晴らしい。

7位:スコーピオン・キング(45点、得票7):ドウェイン・ジョンソン



ザ・ロックことドウェイン・ジョンソンの初主演作。ここから本格的に映画俳優へ転身した彼の快進撃は、みなさんよく知る通りです。

同率7位:エクスペンダブルズ(45点、得票7):スライおじさん、元水泳選手のハゲ、元ハゲの中国人、元格闘家のハゲ、制汗スプレーの妖精ハゲ、元レスラーのハゲ、世界一運の悪いハゲ、人間核弾頭、シュワおじさん


「強い男はハゲている」というオレの持論を裏づけてくれる、強力な1本。戦う男たちに偏差値はいらない。前頭葉に頼る野郎にロクなやつはおらん!

9位:プレデター(40.5点、得票5)アーノルド・シュワルツェネッガー、カール・ウェザース


戦争アクションがいきなりSFになる、リアルタイム公開当時の衝撃は今でも覚えています。これと『フロム・ダスク・ティル・ドーン』がオレの中の「いきなりジャンルが変わる映画」双璧だなぁ。そんなテイストの変化も、「筋肉映画」という大きなくくりの中では余裕で許容されるのでありました。

10位:コナン・ザ・グレート(38点、得票5):アーノルド・シュワルツェネッガー


ボディビルダーとしては名声を得ていたシュワが、俳優に転身した記念すべき1本。最近ではファンタジー世界の勇者といえば草食系やれやれメンを思い浮かべる人が多いですが、かつての剣と魔法の世界では、筋肉こそが正義でありました。当時の映画界にはシュワルツェネッガーの代役をできるスタントマンがおらず、吹き替えなしで剣をふるって演じきったため全身傷だらけになった、というエピソードも味わい深い。


11位から下はこんな感じです。

以上です。


では明日は、主演筋肉賞MMM(モースト・マッチョ・マン)を発表いたします。もう1位はわかってると思うけど。