黒い医師たちの饗宴

秋田書店では現在、「週刊少年チャンピオン」月イチで山本賢治による「ブラック・ジャック〜黒い医師〜」と「ヤングチャンピオン」で田口雅之による「ブラック・ジャックNEO」、「サスペリアミステリー」で月替わりの作者による「ブラック・ジャックM」という三つの「ブラック・ジャック」を連載しています。
手塚治虫 TEZUKA OSAMU OFFICIAL
いくらアニメやってるからって、骨までしゃぶれ、ってやつですか

とくにすごいのは山本賢治バージョン。旧作のリメイクなのですが、エピソードの選定がいちいち凶悪です。
先月なんか、「ブラック・ジャック」全エピソードの中でもとくに凶悪な「灰色の館」でしたからねぇ。
覚えてます?全身大ヤケドのお兄さんが、自分を殺そうとした妹をバーナーで焼き殺すやつ

ブラック・ジャック 3 (少年チャンピオン・コミックス)

ブラック・ジャック 3 (少年チャンピオン・コミックス)

オリジナル版では、炎に包まれた館の中で、傷のほぼ治ったお兄さんが「フハハハハ」と笑い、ブラック・ジャック先生が「医者は体の傷は治せても、ゆがんだ心の底までは治せん」と苦々しく呟くというラストでしたが、山本版では、顔がドロドロのお兄さんが「グヒーッヒッヒッヒ」と笑い、ブラック・ジャック先生が「金持ちってのは何考えてるかわからんな」と薄笑いするというものに変わってました。

明らかにやりすぎです

この勢いでいくと、封印エピソードとして知られる「快楽の座」まで描いちゃうんじゃないでしょか。
つーか、編集部から頼まれてもいないのに勝手に描いてるんじゃないかとすら思います。

そんなブラック・ジャックですが、秋田書店の各雑誌では総勢40人の作家によるパスティーシュ作品(あえてこう呼ぶ)が掲載されました。
soorceさんがまとめられてますので紹介しておきます。
http://d.hatena.ne.jp/soorce/20051017
かなりの労作です。


それにしても、北見けんいち先生に描かせたのは誰の責任なんだろう