超獣忌
ジャジャジャジャーン♪ジャジャジャ、ジャーン♪(ベートーヴェン「運命」)
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・・・というわけで本日は、プエルトリコで不慮の死を遂げた不世出の名レスラー、ブルーザー・ブロディの命日です。
詳しいプロフィールはこちらのファンサイトを参照。
超獣伝説ブルーザー・ブロディ
今になって思うと、ワンハンド・ボディスラムとキングコング・ニードロップぐらいしか技のない人だったんですけどね。そのカリスマ性においてはアントニオ猪木にも劣らないものがありました。
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初めて観たときの印象は、とにかく「怖かった」
怪物みたいなレスラーは他にもいくらでもいたし、狂乱ファイトの悪役もいくらでもいたんですが、ブロディの怖さはまったく異質でした。
一言で言えば、「気難しそう」だったんですね。
哲学者然とした風貌に、テンションの高いパフォーマンス。
チェーンを振り回し、観客を自分の世界に引きずりこむその姿には、東欧系らしい暗い情念のようなものが感じられました。
スタン・ハンセンとのタッグも、ことのほか思い出深いですね。
赤白い肌に、ブルロープにカウベルを持った、カウボーイ・スタイルのハンセン。
青白い肌に、毛皮のベストとブーツをまとったキングコング・スタイルのブロディ。
何から何まで対照的な二人の勇姿は、二人が完全に同格であるために日替わりでコールする順番を替えていたというリングアナの気配りエピソードとともに今もまぶたの裏に残っています。
あぁ、「スーパーフライ」ジミー・スヌーカとのコンビも素晴らしかったなぁ。
こうして見ると、「プロレスはエスニック・スポーツだ」というルー・テーズの言葉が実感できますね。
異人たちのハリウッド―「民族」をキーワードに読み解くアメリカ映画史
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ブロディが自らの死を招いた要因として、そのファイトの傲慢さが指摘されていますがそこには人種的偏見もあった、といわれています。
ヨーロッパの血を誇りにしていたブロディが、ヒスパニック系のプエルトリカン・レスラーに侮蔑的な態度をとり続け、ついにはレスラーやプロモーターたちの憎悪を買ってホセ・ゴンザレスに刺殺されるに至った*1、という。
今となっては、真実は誰にもわかりませんがこの説には説得力を感じるものがあります。
ブロディ刺殺事件から数年後、当時デスマッチ路線で飛ぶ鳥を落とす勢いだった大仁田厚が、プエルトリコでホセ・ゴンザレスに刺されるというアングルを仕掛けたときには、誰もが「やり過ぎだ!」と唖然としたものでしたなぁ。
*1:正当防衛が認められ、無罪に。その後も平気でリングに復帰して心あるファンを唖然とさせた。