スイーツ真壁のヤバいッス!!

おとといの12月10日(土)は、友人たちと利府町セキスイハイムスーパーアリーナまで、新日本プロレス「WORLD TAG LEAGUE 2016」優勝決定戦を観戦に行ってまいりました。新日のナマ観戦はたぶん20年ぶりぐらいだと思います。


この会場には初めて行きましたが、大きな駐車場があるので、クルマがある人にとっては、アクセスはいいです。鉄道だと駅から遠いのでたいへんでしょうけど。
メインアリーナとは別にサブアリーナがあり、そこがグッズ売り場になっておりました。このサブアリーナもけっこう広く、よその団体だったらここで興行を打つんじゃないかと思いました。


客層は、とにかく子どもと女性が多い。20年前には若い女性ファンなんて全体の2%ぐらいしかいなかった(個人の記憶です)のに、今回は20%以上が女性という感じです。家族連れもかなり多く、オレと同年代かそれ以下のファンが、こうやって子どもを連れてくる世代になったんだなあと思うと感慨もひとしおです。なお、ワスと同行した友人たちは全員が独身でした。


試合自体は、まぁ全体的にサービス精神が旺盛だったという印象です。今回の興行にはリコシェウィル・オスプレイといったハイフライヤーが参加しておらず、ウォーマシンの存在感もあってどっしりした試合が多かったです。コーディ・ローデスのBULLET CLUB加入とか、高橋ヒロムロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン加入とか、ヒールユニットのメンバー増強というニュースもありましたし、あと後藤洋央紀はちびっ子人気が高い、という意外な発見もありました。ケニー・オメガが日本人にもわかるように、中学2年レベルの英語をゆっくりゆっくりしゃべるという思いやりはいつものことですが、「日本語でしゃべれ」という野次に「I will not speak Japanese」と丁寧に答えるあたりは「あぁやっぱりケニーはいい子やなぁ」と再認識させられたものです。

ただ、乱入した高橋ヒロムにキックをくらってレフェリーが失神している間、KUSHIDAがルーシュにチキンウイング・アームロックを極めたままぼけっと待っているのはいただけなかったですね。関節技って極まってギブアップしなかったら折れちゃうものなんだから、そこは何か時間をもたせる工夫が必要なところだと思いました。



で、時間をもたせる工夫といったら、この日のメインはまさにそれが重要な試合でありました。


メインエベント、WTL勝戦では、2連覇を狙うスイーツ真壁刀義&ハスキー本間朋晃のG.B.Hと、現IWGPタッグ王者、タマ・トンガタンガ・ロアの兄弟コンビG.O.Dが激突。
ジョバー生活の長かったタマが、やっと実力に見合う扱いをされるようになったと思えば感慨もひとしおですが、フェイスペイントはともかく迷彩上下のコスチュームはどうにもあか抜けないのでなんとかしてほしいと思います。


「洗練」という言葉とは縁遠いこの2組の試合であり、いきなり場外乱闘で幕を開けるハードコアマッチの様相だったのですが、ところがどうも真壁の動きがおかしい。ロアを場外へ引っ張っていくまではいいものの、帰ってくるころには逆に引きずられており、ダウンしたまま起き上がらないこともしばしば。リングへ戻っても倒れたままで、なんとか立ち上がってもずっとロープにもたれている。たまにリング内へ出てきても、パンチにもチョップにもラリアットにも力がなく、すぐにダウンしてまたそのまま起き上がらない。フォールされてカウント2でキックアウトする動きにも、まったく力強さがありません。


ダメージが深いというより、明らかに体調が悪いのであります。10年ほど前、天山広吉小島聡とのタイトルマッチ中に脱水症状を起こして戦闘不能となり、時間切れ引き分け寸前でノックアウト負けを宣告されたことがありましたが、今回は序盤からいきなり真壁がほぼ戦闘不能という異常事態でした。高熱でも出しているのか、それともノロウイルスにでも感染しているのかはわかりませんが、とにかく真壁は試合時間の大半、倒れたままでした。


これではラチが開かないので、パートナーの本間が奮起して戦うわけですが、おそらくもともと予定していたプランが崩れたのでしょう。展開はどうにもギクシャクしていて、タマ&ロアも「どうすんのこれ」とでも言いたげに、困っているのが見て取れるありさまでした。試合が10分を過ぎるころには「真壁はもうだめだ、本間なんとかしてくれ」という気持ちになり、タマ&ロアが場外に机を設置して、エプロンサイドから本間を合体パワーボムで投げようとしたときは思わず両手を合わせて祈りました。

「頼むぞ本間! ここでしっかり受けないとこの試合はもう成立しない!」という、こんな祈りをささげたのは、ぼくの40年近いプロレスファン歴でも初めてのことでありました。合体パワーボムはみごとに決まり、机はきれいに真っ二つになりましたが、今度は本間がしばらくピクリとも動かないまま。リングでは真壁が倒れたまま動かない。トンガ兄弟はまた「どうすんのこれ」状態になりました。



最終的には、無抵抗で攻撃されるままの真壁に、ダウンから復活した本間が救出に入り、こけしインパクト→こけしキングコングニードロップというコンビネーションをなんとか成功させてG.B.Hの勝利となりました。3カウントが入った瞬間、場内には安堵のため息が漏れました。



まぁなんとか試合は成立してG.B.Hが勝ったのはいいんですけど、真壁はこのところ、ダメージを受けると、ダウンしたまま立てないでいる時間が長いので、身体が悪いのなら思い切って長期欠場してもいいから、しっかり治療してもらいたいです。この日の試合結果を受けて、1.4東京ドームではG.B.H対トンガ兄弟のタイトルマッチが組まれるとのことですが、また同じような試合内容になったら、ファンとして真壁に引退勧告をしなければいけなくなる。