千両役者ブアカーオ

今日は、仙台市太白区長町のゼビオアリーナ仙台で、MAX MuayThai Japan2013を観戦してきたッス。



http://www.maxmuaythaijapan.com/


かつてK-1 MAXで無敵の強さを誇った、日本でも人気の高いブアカーオ・ポー.プラムック(大人の事情でポー.プラムック・ジムを離れたため、現リングネームはブアカーオ・バンチャメーク)をエースにしたムエタイ興行が、日本に初上陸。


12月から、タイ国際航空バンコク‐仙台の定期便を就航することを記念しての興行であり、10月5日・6日の2日間にわたって開催される仙台タイフェスティバルの一環でもあるという、国際交流色の強いイベントです。

日本側の主催者に名を連ねているのは、元全日本キック王者で現在は仙台にジムを開いている、船木鷹虎。オールドファンには懐かしい名前です。
オープニングには、船木ジムの選手を中心としたキッズムエタイ/アマチュアキックの試合がいくつか開催されました。小学生の試合もアリ。児童ポルノの問題はよく取沙汰されますが、児童ファイトは問題にされないよう祈ります。


国際交流色の強いイベントであり、キッズ部門の試合もあるせいか、場内には子供連れの姿が目立ちます。打撃格闘技の会場で、こんなに幼児(明らかに未就学)を見かけるとは思いませんでした。あと、駐日タイ公使とか、仙台市児童福祉局長もリングで挨拶をしたのですが、局長さんがやたらエキサイトしていたのが印象的でした。


司会/リングアナは英語を話すタイ人と、流暢な日本語を話す白人の2人。白人はやたらゴツくて、なんかニコラス・ペタスに似てるなぁ。


本人でした。


最近はナレーターの仕事もしているペタスですが、やはり彼はリングの上が似合いますね。



場内はまぁ7分以上の入りといったところ。人気の高い日本人ファイターが出ていない、タイ人がエースを務める興行でここまで集客できれば、おおいに合格点といえるでしょう。


今日の試合はネットを通じて世界に中継されたのですが、生放送なので、CMが入るたびに進行が中断されます。
そのたびに、ペタスが「みなさんすみません、生放送なのでいろいろあるんです」などとお詫びをするのが味わい深い。そりゃペタスに謝られたら、誰も文句いわないよなぁ。


ブアカーオの相手は、以前KO負けを喫した宿敵、佐藤嘉洋
これまで3戦してブアカーオの2勝1敗、しかしその1敗はブアカーオにとって唯一のKO負けという、因縁の相手です。


さすがにブアカーオの人気は凄まじく、彼が登場したときが、場内の盛り上がりのピークでした。
魔裟斗と闘っていたころに比べ、顔つきがぐっと引き締まり、貫録が増しています。さすがにエースの自覚が感じられました。


で、肝心の試合ですが、ブアカーオは相変わらず危なげない戦いぶり。佐藤の攻撃を受けては弾き返し、首相撲から投げ飛ばす、鉄壁の防御を見せました。
パンチやキックももちろん鋭いのですが、とにかく受けのテクニックが際立ち、終わってみればほぼノーダメージの完勝でした。

  • 詳しい試合レビューはこちら

http://www.boutreview.com/2/reports/maxmuaythai/131006maxmuaythai.html


タイの興行では、ブアカーオはムエタイの試合だけでなく古式ムエタイの演武もやっているのですが、その稽古の甲斐あってか、古式ムエタイにある合気道に似た技を完全にモノにしていましたね。


ブアカーオは、リングを降りてもそのまま控室に帰ることはせず、観客席に歩いていって、グローブのままハイタッチしたり、写真を撮らせたりといったファンサービスに務めておりました。さすが、千両役者の貫録だなぁ。

  • 観客の反応


彼もいろいろと苦労がありましたが、ファイターとして、エンターテイナーとして、一層の成長を見せてくれたのが嬉しかったですね。
会場のゼビオアリーナも、どの席からでも見やすい最高のアリーナなので、これからもいい興行が行われることを願いたいです。


(ブアカーオと佐藤の試合についてしか書いてないけど、ほかの選手もみんな頑張ってくれました。ただ、知らない人ばっかりなので何とも書きようがないのです)