ノーヴェンバー・レイン

ここ数年の、日本を含めた世界で起こってきたこと、そしてここ数日のアメリカで起こったことを考えると、つくづく暗い気持ちになる。１１月の冷たい雨に打たれながらこんな記事を見ると、なおさら悲しい気持ちになる。

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平等、公正、博愛、人権。そういった善なる概念は、人類がその歴史において数百年以上もかけて進歩させてきたものだ。でも人間社会でそれらがいつも勝利してきたわけではない。それらを守っていくという行為は、冷たいノーヴェンバー・レインの中でキャンドルの灯を保つのにも似た、不自然ともいえる行為なのである。

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しかし永遠に続くものはない。冷たい１１月の雨も、いつかやむときがくる。ぼくたちにできることは、それまでキャンドルの灯を守り続けることだけだ。強い雨脚に、思わず取り落としそうになることもあるだろう。突然の風に、つい足元がぐらつくときもあるだろう。それでも、とにかく守り続けるしかないのだ。そんなものを守って何になるのだ、などと囁く声に負けてはいけない。いつかきっと、このノーヴェンバー・レインもやむのだから。