与えられたとせよ
先週のエントリで紹介した、「村上賢司の秘宝館まつり2」を観覧してまいりました。
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昨年閉館した、佐賀の嬉野武雄観光秘宝館の映像を中心に、失われつつある「秘宝館」という文化に思いを馳せるイベントでありました。
- 作者: 妙木忍
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その元祖は、1972年に開館した、伊勢の「元祖国際秘宝館」ですが、松野正人という実業家にして性の探検家だった人物が開設したこれは、戦前からある「衛生展覧会」の流れを汲んでおり、人体模型や骨格標本など医療系の展示もあり、また緊縛や鞭打ちなどSM的な展示も多い、よりビザールでグロテスクなものだったそうです。
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そして、後発となる東京創研の川島和人氏が手掛けたもの(佐賀、熱海、北海道など)では医療系のグロテスクな展示を廃し、よりユーモアを前面に出した展示が中心となった、という推移が興味深かったですね。
個人的に印象深かったのは、秘宝館では噴水やのぞき見といったギミックが多く採用されており、嬉野秘宝館には、穴の開いた竹塀の向こうに下半身裸の茶摘み娘(の人形)が見えて、のぞいて見ているとこちらに向けて水が噴き出される(穴にはアクリル板がはまっているので水はかからない)という展示物があったこと。
(※こちらで見られます→http://blog.livedoor.jp/hyodo_shasin/archives/50725156.html)
これって、発想としてはマルセル・デュシャンの遺作「(1)落ちる水 (2)照明用ガス、が与えられたとせよ」と同じですよね。
- 作者: マルセルデュシャン,ピエールカバンヌ,Marcel Duchamp,Pierre Cabanne,岩佐鉄男,小林康夫
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芸術の概念を揺るがしたといわれる「泉」(市販の小便器にサインをしただけ)や「大ガラス」を発表してからは制作をやめたといわれていたデュシャンが、長年にわたりこっそりと作っていて、死後に公開されたこの「遺作」は、扉に空いた穴からのぞきこむことにより、このような光景が展開されるというインスタレーション作品です。格調はだいぶ違いますが、根底にある思想(?)は同じものだと思いましたね。
上映イベントの最後にはクイズ大会もあり、正解して「四十八手てぬぐい」をもらったのでありました。
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