The Kids Are Alright

さて、あんまり児童ポルノ法改正の話題ばっかり書いてると、バックベアードから

とか言われてしまいそうですけれども、規制推進派の人たちがあまりにひどいので、どうしても書きたくなるんですよねぇ。


自民党の片山さつき議員、【さつきチャンネル】にて児童ポルノ法について語る : 二次元規制問題の備忘録 自民党の片山さつき議員、【さつきチャンネル】にて児童ポルノ法について語る : 二次元規制問題の備忘録

片山議員
「何人かの方から児童ポルノの法律について説明してくださいっていうのがあったんですよ。これ実は、児童ポルノを作ったり売ったりすることはもう日本でも違法です。で、単純所持が違法じゃないのは今G8の中で日本だけです。ロシアもこの間違法化、刑罰付けちゃって。で、日本の中でも奈良県京都府栃木県は条例で違法にして刑事罰が付いてるんですけれども」


片山議員
「もう一つそこで問題になってるのは、実在しない子どもに対する…、まあ、マンガとかアニメでそういうものを連想させるものがどうかっていう話なんですが。これは私すごくショックだったのは、私たちはロック世代なんですけれども、ザ・フーっていう歴史に残るロックバンドがあって、ピート・タウンゼントっていうスターが、インターネットの幼児サイトにアクセスしただけでアメリカで逮捕されちゃったんですよ。で、アメリカってそこまで厳しいんですよ」


片山議員
「ただ、そのアメリカでも、あのまあ、これは自民党の中でもいろんな考えがあるんですけど、アメリカでも最高裁で実在しないキャラクターについては、まあそこまでやる話じゃないんじゃないの? と。バーチャルな児童ポルノの方までは規制するのは、これは表現の自由のほうが優先じゃないのっていうお話があって。まあ、個人の法益だけを守るものなのか、社会的な法益なのかは、まあ議論があります」


片山議員
「ただ、この話はもう2008年から6年…5年やってて全然結論が出ないんですね。で、私はそれよりもアメリカのFBIが欧州と組んでやったように徹底的な摘発をしてそういう病的なマニアを摘発して、犯罪の芽を絶つことのほうが先じゃないかなと思って、ちょっと観点を変えて取り組むべきじゃないかな、と思ってます」


片山さつきという、ロックの概念からあまりにかけ離れた人物が「私はロック世代」というのもなんともはやですが、ピート・タウンゼントが逮捕された件を引きながら、アメリカではいかに厳しいかを語っているのもおかしい。
ピートが逮捕されたのはイギリスだよ!

(当時のニュース)
http://www.47news.jp/smp/news/archive/200301/CN2003011401000051.html

英国の元人気ロックバンド「ザ・フー」のリーダーでギタリストのピート・タウンゼント容疑者(57)が13日、インターネットで幼児ポルノの有料サイトにアクセスしていたとして、わいせつ画像所持などの容疑でロンドン警視庁に身柄を拘束された

前提が間違ってるんだから話にならない。アメリカのことしか考えてないのかねえこの人たちは。


ちなみに、イギリスも児童ポルノには厳しく、2003年当時には大規模な摘発作戦が行われ、7000人がアメリカの児童ポルノサイトにアクセスしたとして逮捕されました。ピート・タウンゼントもその1人です。
ただアクセスしたのみならず、クレジットカードを登録して有料会員になっていたというから、言い訳できないところではありますけどね。本人は「子どもたちを助けたい、という気持ちから白馬の騎士症候群になっていた」「自分も児童虐待の被害者だった」「自伝を書くための資料だった」と言い訳していますが、苦しいところです。

Pete Townshend: Who I Am

Pete Townshend: Who I Am

(ピートの自伝『Who I Am』は、7月に河出書房新社から和訳版が出版される予定)


他にも、ロストプロフェッツのイアン・ワトキンスや、70年代にヒットを飛ばしたゲイリー・グリッターといったミュージシャンが、こちらは児童ポルノどころか未成年者への淫行で逮捕されています。

  • Gary Glitter-Rock ´n´Roll, part2


アメリカでは、古い話になりますが1959年、チャック・ベリーが少女に売春を強要して逮捕され、服役した例がよく知られています。


日本でも、ニコニコ動画の歌い手から人気お笑いタレントまで、芸能人が淫行・強制わいせつなどで逮捕された例は枚挙に暇がありません。

  • シンガー板尾



まぁ何でもかんでも厳罰で臨めば犯罪は減らせるってわけでもないし、ましてや漫画の表現を規制したところで、こういう事件がなくなることにはつながらないでしょうけどね。