おじさんが耳をすませば

今日の「金曜ロードショー」は『耳をすませば』です。

耳をすませば [Blu-ray]

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この作品といえば、非リア充が観て発狂することで有名です。今回も恒例のごとく、ツイッターでは阿鼻叫喚の騒ぎとなっています。なんでわざわざ観て騒ぐのかねぇ。ホラー映画と同じようなモンなんでしょうかねえ。


バイオリン職人を目指す爽やかイケメン男子の姿に、自分を否定されたように感じる男が多いといわれていますけど、ぼくにはそういう気持ちはわかんないですねぇ。ぼくが中学生のころは、毎日むさ苦しい男たちと取っ組み合いをして首を絞めて(柔道部だったんでね)、休み時間には図書室で江戸川乱歩平井和正ばっかり読んでいたもんですが(最近になって、そういえばダブル平井だと気が付いた)、その青春が雫と聖司の青春より価値がないなんて誰にも言われる筋合いはないですわい。


それにね、そんなに聖司がうらやましいんだったら、自分もイタリアに修行に行けばいいじゃない

クレモナのヴァイオリン工房

クレモナのヴァイオリン工房

映画『耳をすませば』にて、天沢聖司が留学することになるクレモーナの国立弦楽器製作学校は、もちろん実在する学校です。1937年にベニート・ムッソリーニが創立したというからいろんな意味で歴史があります。イタリアでは中学を卒業してから入学するので、日本でいえば高専にあたる感じでしょうか。外国人にも門戸を開いており(とはいっても、授業はイタリア語なのでまず語学を学ぶ必要がある)、日本人の留学生も少なくないようです。


多くの留学生は、国内で職人としてのキャリアを積んだのちにイタリアへ渡っていますが、中にはまったく畑違いの分野から、職を辞して飛び込んだ人もいます。


http://homepage2.nifty.com/goto-violin/


五嶋芳徳氏は、51歳でそれまで勤めていた富士ゼロックスを早期退社し、クレモーナへ留学。製作学校を卒業し、マエストロに認定されて現地で職人として活動したのち、帰国して現在は多摩市に工房を開いています。
(2003年の日経記事)


ね、50を過ぎてから耳をすました人だっているんですよ。だからキミも、耳すまで鬱だとか言ってるぐらいだったら、レッツ留学! でも雫はいないけど!


(ちなみに、現在のクレモーナ製作学校は、外国人は高卒以上でないと入学できないとのこと)