ダウン・バイ・ロー

深町秋生先生の新作『ダウン・バイ・ロー』が、講談社文庫書き下ろしで発売されました。

ダウン・バイ・ロー (講談社文庫)

ダウン・バイ・ロー (講談社文庫)

作品について、くわしくはこちらを参照。
本日発売「ダウン・バイ・ロー」 - 深町秋生の序二段日記

 ここ最近は、ずっと「自分が読みたい小説」を発表してきた。つまり「こんな世界や、あんな人間たちがいたらいいな」という、ドラえもん的な思考に則って、娯楽に特化した作品だ。香港ノワール映画のような裏社会に生きるプロフェッショナルなアウトロー、破天荒な女性刑事などなど、平和な田舎町で暮らす自分とは、まったく接点のない物語をひねり出してきた。


 本作品は逆だ。「自分が書きたい小説」をひたすら目指した。デビュー作も、自分の嫌な青春時代や、ドス黒い感情を思いきり吐きだしたものだった。心のカサブタをペリペリ剥がすというか、傷口に指を無理やり突っこむというか。原点に戻る感じで、どうにか書き上げた。


 今回は、故郷である山形県を舞台にした。私が高校生のときに、新庄市で起きた「山形マット死事件」をモチーフにしている。友人を自殺に追いやったと、周囲から責められ、孤独に陥った女子高校生を主人公とし、彼女の目を通して、自分の地元に漂う閉塞感を描いた。

以前からこの作品のことは聞いていたのですが、艱難辛苦を乗り越えてやっと完成に至ったそうです。ぼくもこれから読みますが、みなさんもどうぞよろしく。

ダウン・バイ・ロー [Blu-ray]

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