労働者階級の英雄

福島第一原発で働く人たちの労働条件について。


http://www.47news.jp/CN/201108/CN2011080401001080.html

下請け原発作業員に“中間搾取” 日当、10万円が8千円に

 福島第1原発で働く作業員の労働条件について話し合う日弁連シンポジウムが4日、東京都内であり、調査した弁護士が「東電が作業員に払った日当10万円が何層もの下請け会社の介在で手数料が引かれ、作業員が受け取るときには8千円になった例があった」と報告した。


 6月に調査した渡辺弁護士によると、下請けの地元業者が「日当は1人約10万円が出ている」と証言。この業者の場合、15%の手数料を取り、作業員の手取りは最終的に1万〜1万数千円になり、若い人は8千円になることも。


 いわき市の市議は「多くの労働者が中間搾取されている」と話し、待遇改善を訴えた。

日本らしい話だなぁ。中抜きされた92%のうち、いくらぐらい東電にキャッシュバックされているのか想像するとますます味わい深い。海江田大臣は、線量計をつけないで作業した人を「日本の誇り」と持ち上げていましたが、92%も中抜きされてそんな労働をしてたというのだからまさに英雄です。トヨタの専務なら涙を流して喜びそうな話です。


http://response.jp/article/2011/08/03/160391.html

トヨタ伊地知専務「日本の技術力を守るために労働規制の緩和を」

トヨタ自動車の伊地知隆彦取締役専務役員は2日、2011年度第1四半期決算会見で日本の六重苦について触れ、「今の労働行政では、若い人たちに充分に働いてもらうことができなくなっている」と述べた。


伊地知専務によると、ヒュンダイトヨタの技術者を比べた場合、個人差はあるものの年間の労働時間がヒュンダイのほうが1000時間も多いそうだ。ということは、10年で1万時間も違ってしまう勘定になる。


「私は若い人たちに時間を気にしないで働いてもらう制度を入れてもらえないと、日本のモノづくりは10年後とんでもないことになるのではないかと思う」と伊地知専務は危惧する。


もちろん心身の健康が第一であるが、日本の技術力を守っていくためには若いうちから働く時間を十分に与え、さまざまな経験を積ませる必要があるというわけだ。

日本らしい話だなぁ。「ヒュンダイより1000時間も少ない時間で生産性を上げている」という発想にならないあたりが実に味わい深い。


もう、日本全体がヤマギシ会にでもなればいいんじゃないですかね。アレこそ財界が目指す究極の楽園でしょう。

新装版 洗脳の楽園

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ちなみに「六重苦」とは、

だそうです。


トヨタの専務は、このうち労働規制の緩和を訴えているのですが、資本家側の「緩和」とは労働者にとっての「規制強化」にほかなりませんからねぇ。そのうち、「労働組合の禁止」なんてことも言い出しかねないですねこの体たらくでは。


ジョンの魂

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