われわれは「明日のジョー」である
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110702/crm11070208000002-n1.htm
「容疑者の親族が所属する政治団体から派生した政治団体」って、ずいぶん迂遠だなオイ。大麻や傷害で逮捕されたダルビッシュの弟と、日本ハムがスポンサーを務めているセレッソ大阪ぐらいのつながりしかねえじゃねえの。
んで、記事をよく読んでみると、草志会が献金をしたのは「政権交代をめざす市民の会」で、ここは「市民の党」から派生した団体。で、市民の党に所属している「容疑者の親族」というのは、よど号ハイジャック事件で北朝鮮に亡命した赤軍派の田宮高麿と、拉致事件で国際指名手配されている森順子容疑者の息子で、三鷹市議選に立候補したものの落選した森大志氏のことですね。
森氏のコメントは出ていませんが、彼の心中を勝手に代弁するならば
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これが田宮高麿。
目元とかそっくり。森氏が出馬したときは親についてはコメントしていなかったそうですが、見る人が見れば一発で分かるレベルですね。
犯罪者の息子が選挙に出ることをどうこう言う人もいますが、親の罪が子にまで及んだのは江戸時代までの話です。それよりは、左翼運動家まで世襲制を取るのか、と批判する方が効果的だと思いますけどね。
ちなみに、田宮の父で森氏の祖父にあたる田宮高晴氏(1980年に72歳で死去)は農林省の役人で、亡くなったときに勲四等旭日小綬章を授与されています。そして、高麿のことを詠んだ歌集『よろぼし』を、遺族が自費出版していたとのこと。
http://kunyon.com/shucho/090928.html
(鈴木邦夫のブログより)
遠く行きて帰らぬ子ありかの山の城址霞みて鮒釣れはじむ
さる年に吾子を裁きし裁判所堂島川に秋の影落とす
跫音の如くかそけく木の実降る峠越すとき吾子のまぼろし
春の夜の夢に立ちたる罪の子の幼き顔よ笑(ゑ)くぼすらみせて
手錠の子のつびきならずおらびけり春なほ寒ききさらぎの夢に
罪の子のあれから二年夏も果てなほも脳裡に飛翔の軌跡
わが罪の子が住むといふピョンヤンの雪の深さを妻と偲べり
真夏の夜テレビの吾子を見据ゑたり三年を経たる罪の子の顔
わが書棚の独占資本論のぞき見て父さんやるねとかの日言ひにき
罪の子を育てし父と母にして余生といふを虔(つつし)み過す
五年前ふと来て去りし罪の子の肌着洗ひてここにあり今も
正月が来れば偲ばゆ罪の子の住むといふ国雪のまぼろし
いにしへゆ帰らぬ子持つ親はありおぼろ月夜に「弱法師」(よろぼし)謡ふ
訪ね来る刑事は親に罪なしと短歌の話われにさせむとす
ゆきずりの地蔵の貌にふと見たり心に棲める吾子のまぼろし
ひぐらしのかなかなと鳴き出せば罪の子思ふいかに生くるや
親と子の情にへだてのなき汝を罪の孤絶に遣りしものなに
父恋し父よ恋しと鳴くといふ蓑虫あはれ糸に垂りつつ
その国に松風高く吹くあらばわが「松風」を聴けよ罪の子
年逝くを妻と語ればおのづから逆縁の子の齢(よはひ)に及ぶ
居睡りてわれに凭(もた)るる他人(ひと)の子に罪の吾子を偲ぶ夜汽車に
行きしまま帰らぬ吾子よ十三夜今宵の月は汝も見るべし
老い妻と抱きあふごとくテレビ見きわが子が乗取り籠る飛行機
はるばると託されて来し罪の子の見覚えの文字辿り妻泣く
これはすごい歌ばかりだなぁ。孫である森氏にも、ぜひ読んでもらいたいものです。
ちなみに。
田宮高麿たちが亡命したとき、「我々は『明日のジョー』である」との声明を発表したのは有名ですが、その『あしたのジョー』原作者である梶原一騎は、『ボディガード牙』でよど号ハイジャック事件と日本人拉致事件と金大中事件をミックスしたようなエピソード「東京スパイ伏魔殿」を発表しているのでした。
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