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昨日は仙台で東山彰良先生の「小説家・ライター講座」を受けてきましたが、明けて今日は、山形市で「小説家になろう講座」を受けてまいりました。


今月の講師は、実話怪談や都市伝説系怪談本の編者、ホラー小説の作家として有名で、また「デルモンテ平山」名義で書かれた映画レビューなどのアチャラカかつ破壊的な文章で世のボンクラどもに多大な影響を与えた、平山夢明先生です。

ダイナー

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東京からid:tada-woさんやid:k-s1rさん、お忍びでid:otokinokiさんもいらっしゃり、会場も普段より大きな教室で、実ににぎやかな講座になりました。平山先生はときに大きく脱線しつつも物語の面白さについて具体的な例を挙げながら語ってくださりました。その例が、「うんこを我慢しつつ女の子に愛を告白する男子中学生の内面描写」だったのはさすがに平山先生だと思いました。


講座の後半では、深町秋生先生のインタビューによって、平山先生の読書体験や作家になるまでの経緯についてが明かされました。子どもの頃は川崎のヴァイオレントな風土のもとで育ち、日常よりもアクの強いものでないと楽しめなかったこととか、コラムを書き始めたころに連れて行かれたゴールデン街の「深夜プラス1」で、内藤陳に「こんど自分も書いて持ってきます!」とつい言ってしまったのがきっかけで小説も書くようになった、などグッと来るエピソードがたくさん。


若い頃は映画監督も志望されていたそうですが、先に業界入りしていた先輩が『男はつらいよ』の現場で助監に殴られているのを見て、「寅さんで殴られるのかよ!」とショックを受けてそちらの道を断念した、というエピソードもひたすら味わい深かったです。

男はつらいよ パーフェクト・ガイド ~寅次郎 全部見せます (教養・文化シリーズ)

男はつらいよ パーフェクト・ガイド ~寅次郎 全部見せます (教養・文化シリーズ)

ほかにも、実話怪談を編纂するときのスタンスであるとか(元ネタに多少の手を加えることはあっても、元ネタ自体を創作することはしない、とか)京極夏彦先生が、60枚ぐらいの短篇ならDVDとか見ながら一日で書いてしまう(しかも、アドビでデザインまできっちり作った完パケ入稿!)などの旨味あるお話が次々に飛び出し、たいへんに楽しませていただきました。


講座の後の懇親会でも、平山先生が深町先生をPerfumeネタでいじりまくるなどの素晴らしすぎる光景を目の当たりにすることができました。

Perfumeをまったく知らなかった平山先生も、PVを見ながらの解説で「髪がふわふわしているのがあ〜ちゃん」「髪が短いのがのっち」という見分けはつくようになりましたが、あとひとりの名前はどうしても覚えていただけませんでした。