イッツ・オンリー・ロックンロール

仙台文学館で「小説家・ライター講座」を受講してまいりました。


今月の講師は、「このミス大賞」銀賞を受賞してデビューし、2009年には『路傍』で大藪春彦賞を受賞された、東山彰良先生です。


大学の非常勤講師も務められている東山先生の弁舌はさわやかで、「地の文に『うれしそうに』とか『気味が悪い』などの形容詞は使わない」「ハッキリと起承転結をつけるために、『結』が決まっているならば『起』ではそれと正反対の人物を出し、『承』ではそれを引っ掻き回す人物を出す」など、具体的でわかりやすいアドバイスをいただきました。


小説を書くうえで、「テーマ」が先か「ストーリー」が先か「キャラクター」が先か、という問題があります。


これは人によっても作品によっても違いますが、東山先生の場合は何より「ストーリー」が第一、とのこと。


まずはストーリーを決めて頭から最後まで書き、その後に推敲を重ねることによってテーマが見えてきます。そして、その見えてきたテーマに合わせてまた推敲をすることで、作品が出来上がるんですね。


で、執筆のときには、その内容に合わせた音楽をかけるそうです。

イッツ・オンリー・ロックンロール (光文社文庫)

イッツ・オンリー・ロックンロール (光文社文庫)

バンドマンを主人公にした『イッツ・オンリー・ロックンロール』では、作中にいろんな音楽が出てきます。JUDAS PRIESTの『復讐の叫び』やANTHRAXの『狂気のスラッシュ感染』から、MOTT THE HOOPLEの『ロックン・ロール黄金時代』、スティーヴィー・レイ・ヴォーンの『テキサス・ハリケーン』やライトニン・ホプキンスの『モージョ・ハンド』にいたるまで。
復讐の叫び

復讐の叫び

狂気のスラッシュ汚染

狂気のスラッシュ汚染

ロックンロール黄金時代:40周年記念

ロックンロール黄金時代:40周年記念

テキサス・ハリケーン(紙ジャケット仕様)

テキサス・ハリケーン(紙ジャケット仕様)

もちろん小説の内容もこれに合っていて、主人公の人生の旅が音楽によっても表現されているんですね。


ちなみにぼくも音楽をかけながらブログを更新することがありますが、たいていはメタルにとどまっています。もっと幅広い音楽性を許容する感性がないと、いいエントリは書けないのかもしれません。



ギター弾きの行き着くところはブルースである、という定説がありますが、小説家の行き着くところや、ブロガーの行き着くところはどこになるんでしょうか。