たちあがれサムライ

これは今から三年ほど前の話ですが、琴乃というAV女優さんが、ブログで「今日は友達とえたひにんごっこをして遊びました」という衝撃的な告白をして、炎上したことがありました。

やほやほッ(*´ヮ`ハハ;*・';*
今日は友達と○○ごっこシリーズをしたよッ☆


今日はえたひにん(*´∀`)



えっと☆やり方を知りたい人は下を見てねッ☆









「えたひにんごっこ」とは話に入れない者達が卑屈になる遊びである。またえたひにんの他にも多数の種族があり階級的には皇帝→上級市民→愚民→えたひにんの順に落ちぶれていく。たいていの場合話の中心にいる人物が皇帝に相当する。例外としてえたひにんでも皇帝や上級市民に見初められることにより一気に昇格する可能性がある。例;皇帝→見初める→えたひにんなど







ちなみにことは
えたひにんだったょ☆

おそらくこの人は、「えたひにん」という江戸時代の身分制度が、現代でも人を差別するのに使われていることを知らなかったんでしょうね。現代の日本、および先進国では、生まれで人を差別してはいけないというのが当然のことになっています。現実には、人種差別や性差別は厳然として存在していますが、それらをなくすことは人類の責務と考えられています。少なくとも、人種や身分による差別を是とする政党が広く支持を集めることは、現代の日本では常識的に考えられないことです。


ところが、現代の日本でも、「サムライ」という言葉は、人を褒め称えるのによく使われています。


昨年のWBC(野球のほう)でも、原辰徳監督が率いる日本代表は「侍JAPAN」と呼ばれておりました。

WBCに愛があった。三塁コーチが見た侍JAPANの知られざる感動秘話

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この大会では、選手たちはすばらしい全力プレイを見せて優勝。決勝戦では不振だったイチローが決勝タイムリーを打ち「ほぼイキかけました」と発言するなど、ネタ的な面白さも充分でした。


とはいえ、優れた人物を「あの人はサムライだ」と評するのは、サムライでない身分の人を劣ったものとする価値観を肯定するものでしかないんですよね。『シグルイ』でも、賤しい生まれの伊良子清玄が、藤木源之助が自分のことを「生まれついての士にござる」と語ったことで彼を強く憎むようになったのを、ご記憶の方もいらっしゃるでしょう。

シグルイ 7 (チャンピオンREDコミックス)

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まぁこの場合は、生家を捨てて虎眼先生の恩に報いようとする藤木の気持ちを、伊良子が誤解したわけですけど。


悪いほうの差別はみんな敏感になりましたが、いいほうの差別(実はそこには悪いほうの差別も内包されているんだけど)は根強く残っているんですね。


というわけで、今日も平沼新党のお話です。


http://www.asahi.com/politics/update/0408/TKY201004080572.html

藤井氏「サムライ」石原氏「たちあがれ」 新党名で議論

 「ありがとう日本」「頑張れ日本」――。平沼赳夫経済産業相らが結成する新党の名前をどうするのか。まとまるまでには、新党メンバーらと「応援団」の石原慎太郎東京都知事の間で熱い議論があった。


 党名をめぐっては、藤井孝男元運輸相が「サムライ」を主張。だが、他のメンバーが「日本」を入れることにこだわった。「サムライ日本」は似たタイトルの流行歌があるため採用されず、いくつかの案から、石原氏が言った「たちあがれ日本」に決まった。


 メンバーの一人は「面白いじゃないの。政治家の頭からは出てこない。文学者らしい発想だ」と語った。

ここで、たちあがれ日本のメンバーを見てみましょう。

なるほど、これなら世襲容認の発想が出てくるのも当然だわ。


”「サムライ日本」は似たタイトルの流行歌があるため採用されず”とのことでしたが、「サムライ」という曲もありますよね。


ナチスドイツは日本の同盟国でしたから、ハーケンクロイツの腕章をつけるのがサムライファッションかどうかは、軽々には判断できないところですね。

沢田研二 A面コレクション

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