新タイム・トラベラー
- アーティスト: サントラ
- 出版社/メーカー: ERJ
- 発売日: 2010/03/10
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『時をかける少女』は何度か映像化されていますが、有名なのは1983年の大林宣彦監督版、2006年の細田守監督アニメ版、そして今回の2010年版です。仲里依紗は2006年版に続いて二度目の主演となり、同じタイトルの映画が三つ(正確には、角川春樹が監督した1997年版もあるので四つ)存在することになり、うち二つが同じ主演女優ということで、ますますややこしくなりました。
ややこしいといえば、この三作品のつながりも実にややこしい。
まず、この三つとも、時代設定は「現代」(製作されたのと同じ年)ということになっています。
で、1983年版では、ヒロインの芳山和子は高校一年生でした。
2006年版は、ヒロインの紺野真琴は和子の姪で、芳山和子は30代後半で独身という設定になっています。これは1983年版の設定と合っていますね。
しかし、2010年版では、ヒロインの芳山あかりは和子の娘であり、これは2006年版と矛盾します。また、和子がタイム・リープを経験したのは、彼女が中学三年生だった1972年の4月ということになっており、1983年版の設定とも合っていません。
これはいったいどういうことでしょうか。製作者が変わって前作とは別物になったとはいえ、ファンの多い1983年版をもっと意識した作りにした方が、ウケはいいはずなのに。わざわざここを変更する意味がわかりませんでした。
気になって、帰宅してから『時をかける少女』にまつわる諸々の情報を調べていましたら、忘れていた事実にぼくはたどりつきました。
『時をかける少女』は、1972年にNHK「少年ドラマシリーズ」第一弾『タイム・トラベラー』としてドラマ化されています。
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つまり、いま公開中の映画『時をかける少女』は、原田知世主演の『時をかける少女』の続編ではなく、実はNHKドラマ『タイム・トラベラー』の続編だったのです。
芳山和子は安田成美が演じています。なぜ原田知世じゃないのかとぼくは疑問に思っていたのですが、これで謎は解けました。原田知世版の続編ではないからです。ドラマ版に主演していた浅野真弓は既に芸能界を引退しているので、キャスティングの変更はやむを得なかったんですね。
2010年版のオープニングでは、いきものがかりがカバーした1983年版の主題歌が流れるのですが、これはある意味ミスディレクションてことでしょうか。
あぁ、肝心の映画の内容についてぜんぜん触れていない。とにかく仲里依紗が可愛かった。ツッコミどころはいくつもありましたが(年頃の男女が二週間も寝食をともにして、おでこにキスするだけで別れるはずあるか)里依紗たんが泣いたり笑ったりするのを見ているだけで、ぼくは幸せでした。