がらドラ!

今日は文化の日ですが、良くも悪くも現代日本を代表する文化といえば、やはり「萌え」です。


というわけで、こちらのエントリを見まして。
http://d.hatena.ne.jp/ill_critique/20091102/1257173185



今年のはじめごろに放送され、人気のあったアニメ『とらドラ!』をモチーフにした「萌えメイドスナック」を例に、萌えとウォータービジネス・風俗業の間に存在する、ある種の親和性を指摘しています。


これは2009年という現在に限った話ではなく、『新世紀エヴァンゲリオン』がブームになった90年代中盤にはイメクラ店で「綾波はじめました」というノボリが出ていたという有名なエピソードもあるし、「コスプレ」という用語がコミケ的文脈とラブホテル的文脈にまたがっていることを考えても、その親和性はわかりやすいですね。


それにしても「萌えドラ!」という店名はなんともストレートというか、転用しやすそうです。


これに対抗して、萌え系プロレスバー「がらドラ!」ってのはどうでしょうかね。

プロレス 暗夜行路 (別冊宝島1648 ノンフィクション) (別冊宝島 1648 ノンフィクション)

プロレス 暗夜行路 (別冊宝島1648 ノンフィクション) (別冊宝島 1648 ノンフィクション)

プロレスリング・ノアの取締役だった仲田龍は、そのガチな発言から”ガチンコ・ドラゴン”略して”ガチドラ”と呼ばれていましたが、ノアの客足が鈍るようになってからは”ガラガラ・ドラゴン”略して”ガラドラ”との異名でも知られるようになりました。


また、レッスル夢ファクトリーの元社長で、WJプロレスの常務でもあった高田龍は”高ドラ”もしくは”夢ドラ”と呼ばれています。
http://blog.livedoor.jp/dreamdragon716/archives/65153013.html


カ…カテエ


プロレス界には昔から”龍”をモチーフとしたキャラクターが多く、藤波辰爾天龍源一郎ウルティモ・ドラゴンなんかが有名です。藤波が入場するときは”ドラゴン! ドラゴン!”という観客のコールが恒例でしたが、ウルティモ・ドラゴンの場合は藤波と区別するために”ドラゴン! (チャチャチャ) ドラゴン! (チャチャチャ)”という手拍子をフィーチャーしたものになっていました。

ウルティモ」はスペイン語でいう「Ultimate」”究極”にあたりますが、メキシコでは日本語をフィーチュアした方がファンにうけるらしく「サイゴノ・ドラゴン」と呼ばれるようになり、さらに崩れて「サイゴン・ドラゴン」というベトナム系キャラになってしまったというエピソードが今に伝わっていますが、メキシコ人から見ると日本もベトナムも大して変わらないんでしょうかね。


萌えから始まったはずの話がプロレスで終わる、というあたりは日本文化が持つ懐の広さを表しているのだとご理解いただければ幸いです。けしてワッシュの芸風の限界を物語るものだとはとらえないでいただきたいものだと!