わたしのブログ作法(リアルタイム篇)

オフラインで会う人から、「毎日ブログ書いてて、ネタに困らない?」と、よく言われます。


そのたびに「まぁニュースは毎日いくらでもありますから、それを自分のフィルターに通せば大丈夫です」と答えるのですが、問題は、フィルターを通りそうなネタをいかにして見つけるか、ということなわけです。


自前のネタが思いつかないときは、

  • ヤフーやMSNなどポータルサイトに行き、トピックスを一通り見て回る
  • はてなのトップページ(ダイアリーやブックマークの)に行き、人気のエントリーやニュースを一通り見て回る
  • mixiニュースを一通り見て回る
  • アンテナに登録してあるサイトを一通り見て回る

などしてネタを漁るのですが、それでもなかなか見つからないときがあり、時間が遅くなるとだんだん焦りが出てきます。


話題になっているニュースならそれでいいかというとそうでもなく、たとえば小沢一郎民主党の代表を辞任するだの、リア・ディゾン真木よう子と東原亜紀と佐々木恭子が出産しただのといわれても、ぼくの琴線に触れるものは全然ありません。適度に底抜け感があり、適度にツッコミ喚起力があり、自分の「持ちネタ」に適度につながる要素がないと、ぼくのネタ化アンテナにはひっかかってこないんですね。


ネタ化したいエントリは、たいていタイトルを見ただけでピンとくるものがあり、いいネタを見つけると、だいたい一瞬でエントリの骨組みが脳内に構築されます。この瞬間の気持ちよさというのは何ものにも換えがたく、このためにブログを続けているといっても過言ではありません。アハ体験、ってやつですね。

ちなみに、「アハ体験」でググろうとしたら、「アハ」と入力した時点で、Googleサジェストのトップに「アハトアハト」と出てくるので笑いました。みんな少佐が好きすぎる。
HELLSING 4 (ヤングキングコミックス)

HELLSING 4 (ヤングキングコミックス)



などとクダを巻いているうちに、もう10時。そろそろ焦りが出てくる時間ですが、録画していたアニメ(『涼宮ハルヒの憂鬱』と『けいおん!』を懸命に観ているのである)を消化しつつニュースサイトを巡回し続け、やっとピンとくるネタにめぐり合いました。


http://jp.reuters.com/article/oddlyEnoughNews/idJPJAPAN-37955420090512

台湾の男性、トイレでヘビに局部かまれる

台北 11日 ロイター] 台湾の51歳の男性が、トイレに座ったところ、便器の中にいたヘビに男性器をかみつかれた。地元メディアが11日伝えた。

 中国時報によると、男性は便座に座ると同時に、刃物で切りつけられたような痛みを感じ、本能的に立ち上がった。下を見るとと、大きなヘビがいたという。

 埔里基督教病院の関係者は、男性は軽症で手当てを受けていることを明らかにし、「ヘビの口は衛生的でないこともあるが、感染していないことが確認できればすぐに家に戻れる」と話した。

 台湾の田舎町では、家の中にヘビが入ってくることはよくあるという。

このタイトルを見た瞬間、頭の中で伊武雅刀の声が再生された人は手を挙げること。

  • TF2 急いで口で吸え


スネークマンショー (急いで口で吸え!)

スネークマンショー (急いで口で吸え!)

チームフォートレス2【日本語版】

チームフォートレス2【日本語版】


で、ここでいうと、『スネークマンショー』がぼくの「持ちネタ」であり、「ヘビに局部をかまれる」という元ネタのタイトルが、それを連想させる喚起力を持っていたというわけです。


アルファブロガーと呼ばれる人たちは、「持ちネタ」への造詣の深さが読者を引き付けていることが多いですが、ぼくの場合は「元ネタ」→「持ちネタ」への振り幅が自分の持ち味だと思っているので、「持ちネタ」はサラリと流す程度の知識で充分。なるべく関連性が見つからず、それでいて、言われてみればなるほどと頷けるようなネタ同士を繋げることを心がけています。


というわけで、今回は「ヘビに局部をかまれる」→「急いで口で吸え」という誰でも思いつくような連想しか思いつかなかったので、そのエントリ構成法をグダグダと書き付けることによって字数を稼ぐ、という姑息な手法を使いました。


ネタが思いつかないときは「ネタが思いつかない」ということ自体をネタにすればよい、というこの手法は、空気枕ぶく先生こと夢枕獏先生がエッセイで書いていたのを参考にしました。主人公にどう行動させるべきか迷ったときは、とりあえず「丹波文七は迷っていた」と主人公にも迷わせればよい、という。


また、北方謙三先生は、先の展開を思いつかないときはとりあえず主人公をバーに行かせるといいます。

試みの地平線 伝説復活編 (講談社文庫)

試みの地平線 伝説復活編 (講談社文庫)


「ソープへ行け」でググろうとしたら、「ソープ」と入力した時点でGoogleサジェストに「ソープへ行け 北方謙三」と出てくるほど定着していますが、「バーへ行け」というのも普遍的アドバイスの一つなのかもしれません。


と、こうやって思いついたことをテキトーに書いていくと、オチがつかなくて困るので、気をつけましょう。


通常、当ブログでは

  • 序盤で話題のニュースや漫画・映画などの作品を取り上げてネタを振る
  • 中盤でまったく違う「持ちネタ」へスライドさせる
  • 終盤で元の話題に戻り、オチをつける

という序・破・急の構成を基本としていますが、ちゃんと考えないで書き始めると、ごらんの有様になってしまいます。



というわけで、本日はこれまで。オチはありません。ありませんってば。そんなこと言ったって、ないものは仕方ないでしょう。なんだ、文句あんのかてめえ。やんのかこの野郎。