ああ世は夢か幻か

車で片道一時間かかる図書館に通い詰めである。


そんな遠くまで行かなければ良さそうなものではあるが、借りていた本を返しに行くと「せっかく遠くまで来たのだから」とまた借りこんでしまうので、二週間後にはまた返しに行かなければいけなくなり、するとまた「せっかく遠くまで」メソッドが発動し、結局は二週間ごとに通うことになってしまった。


というわけで、今週読んでいる本。

大正犯罪史正談 (1955年)

大正犯罪史正談 (1955年)

昭和犯罪史正談 (1956年)

昭和犯罪史正談 (1956年)

明治犯罪史正談 (1956年)

明治犯罪史正談 (1956年)

薔薇ひらく日を―『薔薇族』と共に歩んだ30年

薔薇ひらく日を―『薔薇族』と共に歩んだ30年

これに加えて、昨日取り上げた『ギリシア棺の謎』という取り合わせ。


ここからオレという人間をプロファイリングすると、「犯罪・探偵マニアのホモ」ということになってしまう。


『明治犯罪史正談』では、旧藩主相馬家のお家騒動である相馬事件や、足尾銅山鉱毒事件、水道管疑獄などと並んで野口男三郎事件も収録。

またホモかよ!


この事件は、詩人野口寧斎の義弟である男三郎が、少年を殺害して臀部の肉を切り取り、スープを取ってハンセン病の義兄に与えたという有名な猟奇事件。


男三郎はのちに義兄も殺害、また金目当てで薬種商も殺害して逮捕され、いったんは自供したものの、裁判では少年殺しと寧斎殺しについては否認。

警視庁が、スパイを同房に収監させ自白を誘導したという、不当な取調べへの弁護側の批判もあり、判決は無罪であった。


戦前には人権派弁護士なんていなかった、と思っている人もいるだろうけど、そんなことないのよ。



ただ、薬種商殺しでは有罪となり、結局は死刑だったんだけどね。