ユカタン行進曲

もうじき上映終了というこの時期に、滑り込むように『アポカリプト』観てきたわけです。


http://www.apocalypto.jp/

いやー、観てよかったなぁ。


前半はちょっとかったるいなぁと思う部分もありました。平和に暮らす主人公ジャガー・パウたちの村が帝国の兵士に襲われ、奴隷&生贄として連行されていくわけですけど、ここにそんな時間使うことねえだろうと思わなくもない。

メル・ギブソン監督って、つくづくアレですね。木とか竹とかくくり付けて歩かされるのが好きなんですねぇ。

パッション [DVD]

パッション [DVD]

んでまぁ、生贄のお祭りですよ。


心臓を太陽神に捧げるってぇのはマヤじゃなくてアステカじゃねぇのか、とかククルカンの名前が出るとどうしてもグルマルキンにも会いたくなるなぁ、とかいろいろあるんですけど。

翡翠峡奇譚 1 (1)

翡翠峡奇譚 1 (1)

こっから映画は極度にヒートアップ。


階段型ピラミッド(サウザーの聖帝十字陵を思い浮かべればよし)のてっぺんで、ジャガーの仲間たちが心臓を抉り出され、首を切り落とされて投げ捨てられるあたりの悪ノリは最高です。

首無し死体が階段をごろんごろん転げ落ちる衝撃的なヴィジュアルはもう映画の神が産んだ奇跡でした。


人物の名前はあまり覚えられなかったのですが、あの一人目に殺されるヤツは、ボクの中では「ヤス」に決まりました。

蒲田行進曲 [DVD]

蒲田行進曲 [DVD]

そんで、金環食によって儀式が中断されてからはさらにエキストリームな展開に。


グラウンドみたいなところに連れてこられ、「逃げ切ってみせろ」とファイナル・タッチダウン勝負を課せられます。

逃げる主人公たちは弓矢や投槍や投石器で狙われ、ジャガーもわき腹を矢で貫かれてもはや絶体絶命。

しかし、あわやとどめを刺される、というところを折り取った矢じりで返り討ちにし、ジャングルのデッドヒートが開始されます。


木に登ったら黒豹の赤ちゃん&ママ黒豹に出くわしてわひー、とか毒蛇に咬まれて急いで口で吸え、とか蜂の巣を投げつけるアナフィラキシー攻撃とか、範馬勇次郎が生後初めて殺した生物であるヤドクガエルで吹き矢攻撃、とかいちいち面白すぎ。


わき腹に穴が開いていた(あの位置だと腎臓やられてねぇか)のに、木の皮をくちゃくちゃ噛んで詰め込んだだけで完全に治ってしまうのもスゴすぎます。

フー・ファイターズプランクトン詰めてるんじゃないんだから。


ただ、滝つぼに飛び込むところはやっぱり人間ナイアガラにして欲しかったですね。



もう少しマジメに考えると、善玉が狩猟民族で、農耕民族は野蛮で迷信深い悪玉、という設定は日本人の感覚とまったく逆で、この辺もメルギブの感性なんだろうなぁと印象的でした。


それと、森の民が帝国兵にトラップ仕掛けるのはベトナムっぽいなぁと思わされます。
[rakuten:ebest-dvd:10823768:detail]
アポカリプスつながり、ってことですかね。