喪男のための世界文学全集

全国8700万人の喪男のみなさーん、こんばんはぁー!


日夜、女の醜さを証明するための情報収集に全力を挙げてますかぁー?

女に騙されないための護身は完成してますかぁー?


でも、身の回りに女がいないからって脳内情報とネットだけでは、理論武装にも限度がありますよぉー?



そおゆうわけで、今日は「世界の文学に学ぶ女の醜さ」をお届けしまーす。


まずはコレ。

チャタレイ夫人の恋人 (新潮文庫)

チャタレイ夫人の恋人 (新潮文庫)

かつては猥褻文書として摘発の憂き目を見たこの作品ですが、今は完訳版がちゃんと出ています。


冷淡なクリフォード興と、家名のためだけに結婚したコニー。
しかし夫は戦傷で下半身不随になり、まったく妻を顧みなくなります。

空虚感にとらわれた彼女は、やがて森番のメラーズと恋に落ち、激しく愛し合うようになりました。


これは、お国のために尽くして傷痍軍人(つまり軍神)となった夫を裏切って不貞をはたらくという、最低の売女を肯定的に描いている反社会的きわまりない小説ですね。

発禁もやむなし、でしょう。


続きまして。

ボヴァリー夫人 (新潮文庫)

ボヴァリー夫人 (新潮文庫)

こちらは、ボヴァリー医師の妻エマが、愚直な夫との退屈な生活に倦み果て、虚飾と不倫に走り、ついには身を滅ぼすにいたる物語。


その写実的な描写で近代小説にリアリズムをもたらした記念碑的な作品といわれていますが、誠実で真面目な夫、しかも医師というエリートに、尽くそうともせず不倫に走るというのはあまりに自己中心的かつDQNな行為としか言いようがありません。最後にエマは自殺しますが当然の報いです。


それからこちら。

ファウスト〈第一部〉 (岩波文庫)

ファウスト〈第一部〉 (岩波文庫)

ファウスト博士は最愛の女性であるマルガレーテ(通称グレートヒェン。なぜだ)と結ばれますが、グレートヒェンは身ごもり、彼の不在のうちに出産。しかし、赤ん坊を持て余し、沼に沈めて殺してしまいます。


この罪によってグレートヒェンは死刑を言い渡され、ファウストメフィストフェレスとともに彼女を脱獄させようとしますが彼女は悪魔の力を借りることを拒否し、処刑されます。


自分の子供を殺すような女は死刑になるべきだ!という喪男の総意を酌んだ素晴らしい判決ですね。瞬間よ止まれ、汝はいかにも美しい!


こんな作品もありました。

罪と罰〈上〉 (岩波文庫)

罪と罰〈上〉 (岩波文庫)

明晰な頭脳を持ちながら貧困に喘ぐ青年ラスコーリニコフは、「選ばれた人間は善悪を超越する権利を持つ」という独自の犯罪理論によって金貸しの老婆を殺害しますが、悲惨な境遇の中でも高潔な心を失わない娼婦ソーニャの姿に心を打たれ、ついには自首します。


でも、いくら清い心を持っていても所詮は金で体を売るような女に、心を打たれて犯罪を告白するようでは所詮、完全犯罪など不可能です。

完全犯罪を目指すなら、まずは護身完成から!

ドストエフスキーには、こんな作品もありますね。

カラマーゾフの兄弟〈上〉 (新潮文庫)

カラマーゾフの兄弟〈上〉 (新潮文庫)

こちらにも、父フョードルと長男ドーミトリイを手玉に取る、悪女グルーシェンカというのが登場します。
犯罪の陰には女あり、というのは洋の東西を問わないんですな。



悪女もの、といえばこの作品が代表的と言えるでしょう。

マノン・レスコー (岩波文庫)

マノン・レスコー (岩波文庫)

奔放な美女マノンは、騎士デ・グリューに愛されて駆け落ちしますが、金がなくなるとすぐ他の男を誘惑してどっかに行ってしまい、しれっとした顔でまた戻ってくるという、「ファム・ファタール」というものの原型のような女。


最終的には、流刑先のアメリカでさらに問題を起こし、逃亡生活の果てに死んでしまう彼女ですが、デ・グリューは最後までマノンのことを愛し続けます。



利用されようとも、何度裏切られようとも、そういう女を好きになってしまった男にとっては、その欠点もその美質をいささかも損なうものではなく、かえって深みにはまっていくというのもまた男のサガというものです。


騙されるのって、意外と気持ちいいよ。