男の旅はひとり旅

昨日は、仙台セントラル劇場におきまして「トラック野郎・一番星北へ帰る」を観てきたですよ。


この劇場でのレイトショーは、いつもはジージャンズばっかりなのですが、今回に限って異様な雰囲気。


トラッカーの団体である「哥麿会」が今回の上映を後援していて、「トラック野郎」新作を求める署名活動をしているので、場内にはふだん見かけないようなパンチパーマの人々がいっぱい。


杉作J太郎さんが書いてるような、昔の東映の映画館ってこんな感じだったのかなぁと思わされます。



上映前には、鈴木則文監督が舞台挨拶をされました。


「自分は、このシリーズのビデオやDVDも持っているが、ほとんど観たことがない。

やはり、劇場の大画面で観るために撮ったものだから、劇場で観てやりたい。」

という、劇場へのこだわりを語っておられたのが印象的でした。


映画の内容は、まぁ例によっていつもの「トラック野郎」です。


例によって立ちションをしたり、警官の田中邦衛と怒鳴りあったり、マドンナに一目惚れして態度を一変させたり、アメリカ帰りのコンボイ野郎・黒沢年男チェイスしたり、東北の純朴な青年・新沼謙治が歌ったり、サラ金の社長が成田三樹夫だったり、と娯楽の要素が盛りだくさん。


ラストは、緊急医療機器を輸送するために岩手県花巻市から大野村(現・九戸郡洋野町)まで200kmを2時間で走破するという、例によって一番星号の電飾をぶち割りながらの爆走。


田中邦衛がパトカーや装甲車で追跡するのですが、「一番星は4号線を北上している」と無線連絡していますが実際に走っているのはどこの4号線だよと言いたくなるようなあぜ道みたいな道路だった、というのはまぁご愛嬌でしょう。



あらゆるギャグがすべてツボに入って爆笑を誘っている、というバカ受けぶりはかつてナンシー関が「釣りバカ日誌」を観たときの場内の様子を思わせるものがありました。

信仰の現場―すっとこどっこいにヨロシク (角川文庫)

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大満足で席を立って帰ると、鈴木監督がファンの求めに応じてサインをしておられます。

しまった、色紙持ってくるんだった。と後悔しましたが、とりあえず

「監督!握手してください!」

と頼んでみます。


すると監督、

「あぁどうもありがとう。面白かったですか?」


と応じてくださいました。


もちろん「はい!最高です!」としか答えられません。



今年は、金沢の美術館で10作品一挙上映が行われたりパリの映画祭で上映されたり、と鈴木監督再評価の動きが著しいようですね。



とりあえず、来週は「エロ将軍と二十一人の愛妾」が上映されるのでそちらも観にいこうと思います。