ビッグ・ダディについて来い

わたしはかつて、小学生の頃はいじめられっ子だった。
今は、なぜそうだったのかわかる。


あの頃のわたしは、周りの児童たちをみんなバカだと思い、見下していたからだ。


そんな人間が、周りから嫌われないはずがない。


「いじめられる側に原因がある」というのは、加害者の勝手な言い分だ。たしかにそうだ。

だが、被害者も一度はそれを考える必要があるんじゃないか。


すべてのいじめが、加害者側にだけ一方的に原因があるものだとは限らない。
すべての被害者が、弱くて優しいだけのスケープゴートとも限らない。


直すべきところを直さず、省みるべきところを省みもしないで、ただ一方的に「自分は被害者だ」と喚いているだけの人間は、いつまでもいじめ被害者のままだ。


いじめと悪ふざけの違いは、被害者の主観にしかないからだ。*1



と、ここまではウザイ自分語りだ。オレの内的規範であって別に意味はないし、別に誰に向けて書いたものでもない。



今、「自分はいじめられている」とあちこちで喧伝している某氏。


あなたの文章を読むと、あなたが「世の中みんなバカばっかりだ。賢いのはオレだけだ」と思っていることが、どうしようもなく透けて見えてくる。どんなに「それは悪意に満ちた類型的な誤解だ」などと躍起になって否定したってムダだ。あなたの書いてきた文章は、あまりにも雄弁にそれを語っていた。あとから否定する言葉よりはるかに雄弁に。


世間の人々は、あなたの高邁な思想や、難解な文章に込められた真意とやらを理解できるほどには賢くないかもしれない。

でも、あなたが自分たちをバカにしていることを理解できるほどには賢いのだ。




あなたは、「わたしの名前に一方的に憎悪を持っている人間が多数いる」と言う。

でもそれは「あなたの名前に」ではなくて、「あなたの傲慢さに」ではないのか。




あなたは、他人が自分に向ける悪意によって自分は深く傷ついたが、自分が他人に悪意を向けても全然効かない、と言う。

でもそれは本当に効いてないのか。あなたが、「あいつらはこんなものでは傷つかない」と思っているだけではないのか。




あなたは、相手は「人間以下の外道の分際で」「『人間らしい』反応をするに違いない」、と言う。だから自分は反撃できない、と言う。

でもそれは、あなたが相手を見下しているだけではないのか。相手の反応が怖いのなら、反撃などできないのは当たり前だ。
真正面からぶち当たる覚悟がないのなら、反撃など考えないことだ。



あなたは、「向こうは『自分こそが被害者だ』と周囲に見せたがっているし、自分でそう信じ込んでいる」と言う。

でもそれは、向こうも同じことを思っているのではないのか。あなたのしていることも、周囲に「自分こそが被害者だ」と見せようとしているだけなのではないのか。



あなたは、相手を「条件反射でものを言うことしかできないようなゾンビ」と思えばいい、と言う。
でも、ゾンビが本当に条件反射でしか行動できないのかどうか、これを観てからにしてね。

*1:暴行や恐喝と、悪ふざけの間には客観的な違いがある。暴力をふるったり、金を取ったりするのをいじめと呼ぶべきではない。性犯罪をいたずらと呼ぶべきでないのと同様に。