ゲート・オブ・アスラ

本日は、友人のイトウくんと連れ立って「トム・ヤム・クン」観てきたですよ。

トニー・チャーの前作「マッハ!」では、見せ場のアクションでいちいちスローモーションの繰り返しを見せていたのでちょっとタルく感じられる部分も無くはなかったのですが、今回はひたすらソリッドなアクションを全開にしていきます。

チャーの台詞は、ほとんど「僕の象を返せ!」しかありません。
芝居らしい芝居をほとんどしていない、という。


今回の悪役はチャイニーズマフィア。
料理店に殴りこんだチャーが、螺旋階段ワンカット長回しのアクションを経て店の奥にたどりつくと、絶滅危惧動物を料理していたというあたりは、特定アジアについて書かれたブログなどでよく見かける、
「生き物は何でも喰う、残酷で野蛮な支那人
というイメージを、タイ人も持っているということなんでしょうか。


で、チャイニーズマフィア傘下のカンフー使いやXスポーツ軍団、ロナウジーニョふうのカポエラ使いやらネイサン・ジョーンズやらと激闘を繰り広げるチャー。

ラスト近く、49人の敵を相手にした殺陣の素晴らしさは絶品です。

襲い掛かる敵の攻撃を受け流し、パンチ・キックを入れながら腕や脚を絡め、関節技をビシビシ極めて腕を折りまくるという戦い方は、古流ムエタイの技術を利用したものだそうですが、ほとんど陸奥圓明流と化していました。

最近コンビニ版が出ている「修羅の門」ですが、連載当時はけっこう興奮して読んでいたものの、今になって読むと、笑ってしまうほどリアリティがありません


あの頃はまだ実戦空手幻想がはびこっていたからなぁ。



そういえば。


映画「トム・ヤム・クン!」で、トニー・チャーネイサン・ジョーンズと戦ったとき、ジョーンズの肩に飛び乗って首に脚を絡め、ヒジ(&象の骨)を脳天に打ち込みまくるのですが。
これって、陸奥九十九が不破北斗を殺害したときに使った、四門の一つ「朱雀」を彷彿とさせるものがあるなぁ。