子供達の朝

仙台に住んでいる、というのは東京の人から見ると「イナカモン」なんでしょうけど、実際に住んでいる人間からするとちっともイナカとは思ってなかったりします。


仙台に住んでいる人というのは大半が東北各県から出てきた人なわけで、ホンモノのイナカってのはこんなもんじゃないというのを知ってますからね。

この本には、全国から寄せられた「うちってこんなに田舎なんです」という投稿が集められています。

埼玉県の人が「おいしいパン屋がない」なんていって嘆いているのに対し、北海道の人は「スキーに行くために山を降りる」なんて言ってたりします。勝負になりませんね。


わたしの故郷は岩手県釜石市というところですが、この街には新日鉄企業城下町だったという特殊事情があるせいか、あまり全国チェーンの店が進出しておらず、ファミレスもないしTSUTAYAもないという状況です。

ここから来た人間にとっては、仙台なんてのは大都会の部類に入るもんなんですよ。



とはいえ、仙台にもないものはたくさんあります。


たとえば、コンビニに設置されたATM。
関東では当たり前ですが、仙台では地銀の七十七銀行が強硬に反対していたため、今月になってやっと導入されたという有様。


また、ファミレスにも独自のチェーン展開があります。

仙台にはジョナサンもデニーズもありません。
代わりに、「ミルキーウェイ」というビッグボーイ系列のチェーンが展開されており、やたらあちこちにお店があります。

また、「まるまつ」という、こちらは宮城県発祥の和食チェーンもあり、「ざるそば280円」「肉じゃが定食380円」などの激安メニューでなかなかの人気です。

いずれも、よそから来た人物に「こんなファミレス初めて見た」と言わせるに充分なインパクトを持っています。
その反応がちょっと恥ずかしかったりもしますが、同時にどこかマゾヒスティックな悦びを感じていたりもするのが田舎者の屈折といいますか。



ところで。



最近、はてなダイアリー池玲子に言及している日記が妙に多いので、ちょっと見てみると。

ラピュタ阿佐ヶ谷という映画館でこんな特集をやっているのですね。

THE 女番長(スケバン) 全開ガールズパワー/ラピュタ阿佐ケ谷

こういうのを見ると、やっぱり東京っていいなー、田舎モンって悲しいなーと思わされるのでした。


田舎者という言葉に くちびる噛むけど

小さなやくざにも なれやしない
ザ・ディランII 「子供達の朝」より)

きのうの思い出に別れをつげるんだもの

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