ラーメン使いと少年
遅ればせながら、今週の「ウルトラマンマックス」についてお届けします。
http://hicbc.com/tv/max/contents/story/20051217/story_main.htm
今週は、第25話「遥かなる友人」。
ネリル星人キーフ(河相我聞)と、地球人の少年カケルとの友情を描いています。
演出があっさりしているのと、全体に練りこみが浅いのとでいまいち印象の薄い話になっていますが、実はすごくアクチュアルな話題を扱った、マックス最大の問題作なんじゃないかと思われます。
カケルは、人間形態になることのできるキーフに対し、「ずっと人間の姿でいて欲しい」と頼みますが、キーフはそれを断って宇宙人の正体を明かし、DASHに出頭します。
自分は地球人形態にもなれるけど、宇宙にはもっと違った姿形を持った人々がいて、地球人形態になれない人たちもいる。
だから、自分が本当の姿を明かして地球人と友達にならなくては、宇宙人と地球人がほんとうの友情を結ぶことはできない、と。
これって、「GO」とか「パッチギ!」と同じ話なんじゃないですかねぇ。
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日本には、日本人とほぼ同じ姿形を持ち、日本人の名前を名乗って日本人として生きていくこともできる、それでいて日本人でない、という人たちがたくさんいるわけじゃないですか。
そういう人たちに対し、日本の社会や世論がどうなっているかは皆様ご存知のとおりです。
作品中でも、キーフに対して科学者や市井の人々は冷淡で、彼の誠意をまったく信じようとせず、「宇宙人は信用できない」「侵略者のスパイじゃないか」という扱いです。
これで、キーフが暴徒に虐殺でもされてたら、丸っきり「怪獣使いと少年」になっちゃうところでした。
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とはいえ、以前の作品でも扱われていた「マイノリティに対する差別」というテーマが、34年経った現在でもそのまま通用するというのは由々しきことです。
こういう問題を扱うとすぐ「それは向こうが悪いんだ!あいつらのことは知れば知るほど嫌いになるんだ!」という意見が出ますが、そういう人には「ウルトラマンA」最終話でのエースの言葉を聞いてもらいたいです。
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やさしさを失わないでくれ。
互いに助け合い、弱い者をいたわり、世界のどの国の人々とも仲良くしようとする気持ちを失わないでくれ。
たとえ、その気持ちが何百回裏切られようと…
それがわたしの、最後の願いだ。
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